小児高度外科医療センター
概要
センター長
岡島 英明
少子化が問題視され、小児に対する医療の充実が求められています。近年、新生児、乳幼児においては問題が単一ではなく、心臓や脳神経、消化器系における重度の疾病が同時に存在することも少なくなく、単一科では対応できないことが少なくありません。当院では小児消化器外科、小児心臓外科、小児脳神経外科部門が同一施設ですべてにおいて高度の医療を提供できる部門を有していますが、そういった子どもたちには単一部門では対応しきれない現状があります。
そこで、今回各診療部門の垣根を取り払ったセンターを開設することにより複数の問題に対して同時にリアルタイムで対応可能となる高い診療部門を発足させる運びとなりました。
業務内容
胸部心臓血管系の奇形や消化器系の重度の奇形はもちろん、重度の先天性心奇形患児の栄養管理、重度の先天性消化器疾患の循環管理など各々のエキスパートが関与しつつ外科的治療を行っています。心臓血管と消化器系の複合奇形を有した症例に対してときには心臓血管外科手術を優先、ときには消化器系手術を優先またときには同日に心臓血管外科手術と消化器系手術の両方を行うこともあります。循環、呼吸、栄養管理に外科治療の戦略・タイミングをはかり、適切な時期に外科治療を行うことができています。
【手術風景】
特徴・特色
北陸で唯一の独立した診療科としてある小児外科部門が中心となり、出生体重1000g未満の外科手術症例や生後まもなくから体外補助循環(ECMO)導入も必要となる症例に対し集中治療を含め高度の医療を提供してきました。その際に心奇形の合併症例の頻度は高く、小児心臓外科診療を見据えながらの治療戦略を考慮する必要があります。小児心臓血管外科においても安藤誠先生が手がけ助けることができている高度な複雑心奇形の症例において、消化器系の問題も合併している症例も多く、常に心臓、消化器の両方の問題に対してそれぞれのエキスパートが責任を持ってマネージメントを行っています。また小児脳神経外科においてはその疾患の希少性から専門的に治療を受けることができる施設は限られています。当院には北陸でも数少ない小児脳神経外科認定医を有している林康彦先生を中心に専門性をもった医療が可能となっています。これらの部門が連携をとりながら診療を展開することが高度な外科医療を必要とする子どもたちに適切なタイミングで適切な治療が行えることができると考えている。
理念
小児において高度医療を必要とする外科疾患(新生児外科、消化管外科、肝胆膵外科、心臓外科、脳神経外科)を有した患児においてあらゆる疾病の問題に遅れることなくリアルタイムに対処・診療が施行できることを目的としています。
基本方針
小児集中治療を必要とするすべての外科系小児症例に対して診療科を超えた体制で治療にあたっています。
【ジェット搬送にて患者搬送】
目標
北陸の医療連携をはかり、こどもたちがどこの医療機関を介しても安心して高度な医療が適切に受けられる医療連携・医療体系を構築します。