2012年10月

第19回 臨床病理検討会(CPC)を開催します。

第19回臨床病理検討会(CPC)を開催します。
病理解剖症例をもとに医療行為を振り返り、医療の質の向上を図ることを目的とした勉強会です。
院外の先生方も是非ご参加ください。

テーマ : 家族性高脂血症の1例

日 時 : 平成24年10月17日(水) 17:30~19:00

場 所 : 病院本館4階C41講義室 


詳しくはこちらをご覧ください。(PDF)

 

 

平成24年度第5回健康管理講座を開講しました。


日 時 : 平成24年10月6日(土)13:30~

場 所 : 当院 病院新館12階大会議室

演 題 : 『眼のアンチエイジング~より良い視力をいつまでも保ちましょう~』

講 師 : 眼科 教授 久保 江里


当院では一般の方を対象に、「健康管理講座」を毎年開催しています。
この講座では、皆さまの生涯学習機会の拡大として、当院の特色ある医療体制や健康管理について知ってもらい、健康への意識を高めていただくことを目的に開講しています。

第5回目の講座は26名の方が出席されました。
10月27日の閉講式まで、延べ6回にわたって開講いたしますが、途中からの参加も可能です。

 

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日 程 : こちらからご覧ください。

受講料 : 無料(ただし、教材費として500円を負担していただきます。)

申し込み: 病院管理課 

TEL : 076-218-8206 

メールアドレス : kanrika@kanazawa-med.ac.jp

金沢医科大学 教えて!ドクター 第7回

 

進化目覚ましい腎移植 

カギは泌尿器科と腎臓内科の連携

 

 10月は臓器移植普及推進月間です。金沢医科大学病院は腎移植の先駆者として、これまでに北陸最多の300例近い腎移植手術を手掛けています。手術担当の泌尿器科と術後管理担当の腎臓内科の緻密な連携プレーは「金沢医科大学方式」と呼ばれ、全国のお手本とされてきました。腎臓内科学の横山仁教授と泌尿器科学の田中達朗臨床教授に腎移植の最新事情を教えていただきました。

 

【今月の回答者】

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田中 達朗(たなか たつろう) 横山  仁(よこやま ひとし)

金沢医科大学泌尿器科学臨床教授            金沢医科大学腎臓内科学教授
金沢医科大学病院泌尿器科臨床教授           金沢医科大学病院腎臓内科教授(科長)


石川の透析患者は20歳未満がゼロに

横山 全国には末期腎不全で透析を受けている患者さんが約30万人、すでに腎移植を受けた方が約1万2000人います。2011年末現在、北陸で血液透析を受けている患者数は石川県2678人、富山県2363人、福井県1724人です。

田中 昨年の腎移植件数は全国で1598例、その87%が生体腎移植、13%が心臓死や脳死の方から提供された献腎移植です。北陸3県における昨年の腎移植件数は13例で、生体腎移植が10例、献腎移植が3例でした。

横山 ドナー(臓器提供者)とレシピエント(臓器提供を受ける患者)を都道府県内でマッチングさせるのが最近の基準です。石川や富山は県内での移植割合が80%を超えており、マッチングが比較的うまくいっています。

田中 北陸における腎移植のパイオニアである本学をはじめ、腎移植手術が可能な病院が充実していることや、本学の鈴木孝治泌尿器科学主任教授が理事長の石川県臓器移植推進財団の積極的な啓発活動などにより、腎移植の環境が整っているからと言えるでしょう。

横山 石川県内では今年、金沢医科大学病院で18歳の患者さんに腎移植を実施したことにより、腎移植を受けたことのない20歳未満の透析患者が0になりました。腎移植が必要とされていた若者はすべて移植手術を終えたということであり、画期的と言えます。

田中 若い世代の腎移植が一段落したため、透析を受ける患者さんの高齢化が進み、腎移植手術の件数はやや減少傾向にあります。患者さんが若ければ親がドナーになるケースが多いのですが、高齢者だと核家族化などの影響もあってドナーが現れにくいのです。

横山 大半を占める生体腎移植では、ドナーとして認められるのは6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族に限られています。今や透析に入る平均年齢が67歳ですから、夫婦間での移植も健康面の制約などから適応しにくくなっているのが実情です。

 

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さじ加減が重要な免疫抑制剤の投与

田中 泌尿器科が行う腎移植手術は動脈、静脈、尿管をつなぐことが基本です。簡単に言えば血管の手術であり、血流をいかに確保するかがポイントです。手術用の機器は随分、進化しましたが、近年は高齢で、透析期間も長い患者さんが多くなっているため、動脈硬化など条件が悪くなる傾向にあります。また、心臓病や糖尿病などを併発されている患者さんも多く、術前の管理が極めて重要になっています。

横山 それでも治療成績は年代を経るごとに良くなってきています。10年生存率は生体腎移植で約85%、献腎移植で約77%です。移植した腎臓が機能している割合を示す生着率は、2000年以降の手術に限ると5年生着率が生体腎移植で約91%、献腎移植でも約79%となっています。透析患者の5年生存率が約50%ですから、腎移植がいかに有効な治療手段かがお分かりいただけると思います。

田中 治療成績向上に大きく貢献しているのが、レシピエントの拒絶反応を抑える免疫抑制剤の進化です。シクロスポリン、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチルなどが登場したことで、治療成績が飛躍的に良くなりました。

横山 ただし、免疫抑制剤は免疫力を低下させますので、感染症など合併症のリスクが高まります。腎臓内科が担当する長期の術後管理は、免疫抑制剤などを駆使して、いかに拒絶反応を抑えつつ、合併症を防ぐかが腕の見せ所になります。この微妙なさじ加減もレベルアップしてきているのです。

 

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全国に浸透する「金沢医科大方式」
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横山仁 教授

田中 金沢医科大学病院は津川龍三名誉教授が1975年に4例の生体腎移植手術を実施して以来、北陸の腎移植をリードしてきました。術後37年を経た今も4人の患者さんはご存命です。これまでに手掛けた腎移植手術は生体腎移植が236例、献腎移植が59例、合計295例です。北陸では圧倒的に多い症例数です。

横山 泌尿器科の津川先生と腎臓内科の故・篠田晤先生が協力して、両科が連携して患者さんを支えるチーム医療を先駆的に導入した功績は高く評価されています。このチーム医療体制は「金沢医科大学方式」として全国のお手本となり、広く浸透してきました。現在も新館5階に泌尿器科、腎臓内科、血液浄化センターが集結しており、集学的な診療を行える腎総合センターとして機能しています。

田中 両科は毎月、合同カンファレンス(会議)を持ち、個々の患者さんについてさまざまな角度から治療方針の検討を行っています。医師や看護師はもちろん、透析を担う血液浄化センターのスタッフも参加して、全員で情報や認識を共有し、院内でのクリニカルパス(診療計画表)を策定します。こうした努力を積み重ねてきたことで、金沢医科大学ならではのプロトコル(手順)を確立し、治療成績を高めてきたのです。

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田中達朗 臨床教授


血液型不適合の夫婦間移植も

横山 2006年以降、約30例の腎移植手術が金沢医科大学病院で行われましたが、拒絶は1例しかありません。近年ではABO血液型不適合の夫婦間移植も珍しくありません。一昨年には脾臓を摘出しないABO血液型不適合の夫婦間移植も北陸で初めて成功させました。移植を受けた患者さんが再び移植手術を受ける献腎2次移植は非常に難しいとされていますが、こちらも成功しています。

田中 津川名誉教授は常々、「貴重な腎臓を提供するドナーが命を縮めるようなことがあってはならない」とおっしゃっていました。泌尿器科ではその哲学を継承し、腎臓摘出手術を小さな切開で行いドナーの負担軽減にも最大限の努力を払っています。かつてはドナーの入院期間が3週間~1カ月ほど必要だったのですが、最近は早ければ1週間で社会復帰できるようになりました。

横山 出産を経験した女性は、白血球の組織型であるHLAに対する抗体を作るため夫婦間での腎移植ができないことが往々にしてあります。この壁を乗り越えるべく、新しい生物製剤を使った治療法や、骨髄を移植してから腎移植を行って拒絶反応を抑える治療法など、世界最先端の研究にも取り組んでいます。

田中 小児科や産婦人科の医師不足が喧伝されていますが、実は泌尿器科の医師も不足しています。腎移植の環境を守っていくためにも、泌尿器科を志す若手医師が増えてくれることを期待しています。

 

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レシピエント(患者)に対する腎移植手術(金沢医科大学病院)

 

【月刊北國アクタス2012年10月号掲載】

金沢医科大学病院

〒920-0293 石川県河北郡内灘町大学1-1

TEL 076-286-3511

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土曜   8:30~12:00
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