本文へスキップ


山田 裕一Yamada Yuichi

 
昭和50年金沢大学医学部卒、昭和57年金沢大学大学院修了

 
医学部卒業直後の臨床研修中に「職業性ぜんそく」に出会ったことから、職業性呼吸器疾患に興味を持ちました。大学院では、日本の労働衛生研究発祥の地である労働科学研究所(現:川崎市)に国内留学し、故・佐野辰雄博士にじん肺の病理を学びました。同時期に海老原勇研究員が在籍しており、じん肺の根絶を目指して研究する意義と気概を教えてくれた佐野、海老原の両先生が、私には一生の恩師となりました。また当時、アスベスト研究のメッカであったニューヨーク、マウントサイナイ医学校で、鈴木康之輔教授から1年間、石綿肺の病理について指導を受けることができました。帰国後の昭和57年に金沢医科大学衛生学に奉職し、能川浩二教授の下で産業医活動を含めた産業保健全般の研究に従事し、平成2年から教室を主宰することになりました。
 教室全体としては産業保健全般と、職業性ス
トレス、労働者のメンタルヘルス、筋骨格系障害などが主な研究テーマですが、私個人はこれまで、飲酒による高血圧発症の機序として、インスリン抵抗性増大やアルコール代謝系酵素の遺伝的変異の関与を明らかにしてきました。現在は、喫煙によるCKD発症の機序についての研究を進めています。また、労働衛生以外の分野としては、名古屋大学宮尾克教授とともに、これまでは明らかにされていなかった、初期被爆線量が5mSv未満と推定される遠隔地原爆被爆者でのがん死亡が、一般人に比べて有意に高いことを示しました。 私は現在、日本社会医学会の理事長を拝命しています。微力ながら、教室の発展とともに、日本社会医学会の一層の発展にも努力をしたいと考えています。

日本社会医学会ホームパージへ



 KMU研究者データベースへ
Mail