IT革命の時代に活躍しなければならない医学生そして医師には、数学的資質は不可欠であるとの認識に立って我々は教育に携わって来た。学生が数学を忌避することのないように、そして効率的に学習できるようにと、工夫し、試行してきた。進度別クラス編成、遅進者に対する補講、アンケートによる学生意識の把握、テキストの手作り、電卓の使用による数値計算の省力化、パソコンを利用した数学モデルの視覚化などがその例である。忍耐力の養成、好奇心の涵養、人格の陶冶などにも意を尽くした。本学の綱領である「人間性豊かな医師を養成する」ためのリベラル・アーツ教育の重要な部分を担って来たわけである。 数学の学問的精神および方略は修得者の一生の間、学習や研究にはもちろん、日々の仕事や生活のいろいろな場面において役立ち、その重要性は計り知れないものがあると自負している。
平成14年度からは、コア・カリキュラム制の導入に伴い、数学は必履ではなくなったが、医学の枢要な基礎であることには変わりはない。学生が、質問に訪れるならばいつでも丁寧に応答できる態勢にある。
数学研究への貢献も述べねばならないがそれは研究紹介を参照されたい。 |