小児科医局の紹介

沿革
 2024年5月1日より、金沢医科大学小児科学教授・講座主任を務めております伊川泰広と申します。金沢医科大学は1972年に開学した比較的若い大学であり、同時に小児科学教室も設置されました。初代教授には金沢大学小児科から吉田清三教授が招聘され、教室が開講されました。続いて、1978年には千葉大学より四家正一郎教授が二代目教授として就任し、1992年には高橋弘昭教授が三代目教授となりました。2008年からは犀川太教授が四代目教授として金沢大学小児科より就任し、今日に至っております。

略歴

2002年 3月金沢大学医学部医学科卒業
2002年 4月金沢大学医学部附属病院 小児科 研修医
2009年12月金沢大学大学院医学系研究科 修了
2010年 4月National Institutes of Health, visiting fellow
2013年 7月金沢大学附属病院 小児科 医員
2018年 4月Children’s Hospital of Philadelphia, visiting fellow
2019年 4月金沢大学附属病院 小児科 特任助教
2019年10月金沢大学附属病院 小児科 講師
2020年 4月金沢大学医薬保健研究域医学系 小児科 准教授
2023年 9月金沢大学附属病院 小児科 臨床教授
2024年 5月金沢医科大学医学部小児科学 教授・講座主任
当教室の特徴
 金沢医科大学病院は石川県河北郡内灘町に位置し、日本海を望むと同時に白山連峰を見渡せる自然豊かな環境にあります。金沢駅から車で20分程度とアクセスも良く、金沢市内からの通勤も容易であり、日常生活において不便を感じることは少ない立地です。
 当教室では、血液・悪性腫瘍、内分泌・代謝、神経、心臓、腎臓、アレルギー、新生児など、小児科の幅広い専門領域にわたり、診療および研究を行っています。患者さんは金沢市や加賀地域のみならず、能登地域からも多く来院され、三次医療機関としての役割を果たしながら、専門的診療からプライマリーケアまで幅広く対応しています。このような環境は、若手医師の教育にも最適です。
 さらに、当院には小児高度外科医療センターが設置されており、新生児期からの外科的治療を提供しています。胎児診断から外科治療、内科治療、そして長期フォローアップまで、すべてを単一施設で完結できる国内でも数少ない施設です。この環境により、小児科医として外科的処置が必要な子どもたちに寄り添い、きめ細やかな医療を提供することが可能です。
小児科医を目指す学生・若手医師へのメッセージ
 医療は日々進化しています。小児科学の各分野においても、新しい治療法が次々と開発され、かつては救命が難しかった子どもたちも救えるようになっています。また、医療的ケア児支援法の施行により、小児科医は医療的ケア児の急性・慢性のニーズに対応し、適切に調整する役割を担っています。さらに、コロナ禍を通じて明らかになった子どもの貧困問題にも対応する必要があり、多職種と連携し、社会資源を活用しながら、子どもや家族を支える取り組みが求められています。
 当科では、文部科学省からの科学研究費を活用し、さまざまな領域において基礎研究を行っています。現在使用している治療法は、過去の偉大な研究者たちが築き上げた科学的知見に基づいています。私たちは医療者であり科学者でもあるため、現代の課題を解決し、未来の治療法を開発する責務を負っています。基礎研究に興味のある方は、研究を進めながら新たな治療法の開発に貢献する機会を得られるでしょう。当施設では、臨床と研究を両立させ、Physician-Scientistとしてのキャリアを目指すことが可能です。
最後に
 私たちは常に、子どもたちとその家族を中心に据え、最善の医療を提供することを目指しています。どんな些細なことでも構いませんので、ぜひお気軽にご相談ください。
2025年1月教授 伊川泰広