イタイイタイ病とカドミウム環境汚染対策
に関する国際シンポジウム


開催日時 1998年5月13日――受付  14〜16日――シンポジウム
開催場所 富山市 富山県民会館
用  語 日本語及び英語(2ヶ国語、同時通訳)
参 加 費 無  料



イタイイタイ病とカドミウム環境汚染対策に関する
国際シンポジウムの開催にあたって

イタイイタイ病は、わずかな外力によっても容易に骨折をおこし、「イタイイタイ」と日夜、激痛を訴える疾患です。その発生は、富山県神通川流域において、大正時代より今日まで続き、イタイイタイ病患者として認定された者181人、要観察者333人に達しています。

疫学的研究は、患者の発生が神通川の水を使用している地域に限局していること、原因は上流の鉱山より排出されたカドミウムであることを明らかにしました。環境を汚染したカドミウムを摂取したことにより、神通川流域の多数の住民に腎臓障害の存在すること、日本全国のカドミウム汚染地域に居住する人々にも神通川流域に見られると同様の健康影響が存在することも明らかとなりました。

カドミウムは生物学的半減期が極めて長く体内に蓄積されやすい特徴があり、また許容量と現在の摂取量が近接していることから、環境汚染物質として最も注目されている重金属の1つです。

一方神通川流域では、カドミウムによる環境汚染の実態を明らかにするための研究が粘りづよく続けられています。また、汚染された農地を復元する事業も進められています。さらに、カドミウムの発生源である鉱山に対しては、被害者住民と発生源企業とが締結した公害防止協定に基づき、汚染原因の究明と神通川の水質を自然界の状態に戻し、再汚染を防止するための発生源対策が進められてきました。

本シンポジウムは、一般環境のカドミウム汚染による健康影響とカドミウム環境汚染の現状と対策を国際的視点より明らかにすることを目的に企画されました。ぜひ参加をご検討いただきますようお願い申しあげます。

イタイイタイ病とカドミウム環境汚染対策に関する
国際シンポジウム   会長  能川 浩二


イタイイタイ病カドミウム汚染地域住民


 

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