臨床研修医となる皆様へ

信頼される医師として、次代を担う社会人としての第一歩をここ氷見の地から。
金沢医科大学氷見市民病院 病院長

伊藤 透

当院は、人口4万8千人を有する氷見市内唯一の公的病院であり、地域の中核病院として、また、広い市域を抱えるへき地医療拠点病院として、昭和23年開院以来、地域に密着して氷見市の医療を担ってまいりました。平成20年4月からは金沢医科大学が指定管理者として氷見市民病院を運営することになり、金沢医科大学氷見市民病院としてスタートを切りました。本学病院(金沢医科大学病院)との協力体制を築きながら、現代の医療水準に基づく標準医療を基礎とし、2次医療圏の中核としての高度医療、救急医療を含めた小児医療、老人医療、へき地医療、予防医療など住民のニーズに基づいた質の高い医療を目指しています。

当院は、循環器内科、消化器内科、腎臓内科、糖尿病・内分泌内科、血液・リウマチ膠原病科、呼吸器内科、神経内科、高齢医学科、総合診療科、心身医学科、小児科、一般・消化器外科、胸部心臓血管外科、整形外科、産婦人科、形成外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、救急科、病理診断科の27科を置いており、そのうち、リウマチ膠原病科、心身医学科、形成外科、産婦人科の4科は、非常勤医師で対応しています。臨床症例数については、平成29年度の実績で、入院数延べ69,871人となっています。

また、氷見市医師会をはじめ地域の診療所、病院の先生方とは、症例検討会を毎月開催(第2火曜日)するとともに、医師会講演会も院内多目的ホールで毎月開催(第3水曜日)しており、密接な連携をとっています。このほか臨床病理検討会も年1~2回定期的に行っており、医学医療水準を維持するため、共に継続的に学ぶ姿勢を堅持しています。

さらに、平成23年9月1日に氷見市鞍川地区にて新病院が開院し、新たに患者さんの早期社会復帰に向けた「回復期リハビリテーション病棟」や予防医療を推進する「健康管理センター」を新設しました。また、本学病院(金沢医科大学病院)との交流も活発に行っております。

図書室は、欧文14誌、和文42誌を購入しているほか、各机にインターネット端末を配置し、快適な学習環境も用意しています。医療安全委員会・感染対策委員会をはじめ各種院内活動も充実しています。

当院は、経営健全化を目指して新たな取組みを始めている病院です。医学を人間性、科学性、技術性、社会性、倫理性の側面から捉え直し、少子高齢化の最前線にある当院で研修することは、医師として、社会人として、その第一歩をしるすのにふさわしい病院であると信じます。

百聞は一見に如かず。まずは病院見学にお越し下さい、お待ちしています。

北陸初、大学病院直属の中核病院で豊富な臨床経験と診療・研究・教育をバランスよく習得できる研修環境。
金沢医科大学氷見市民病院 副院長・臨床研修センター長

福田昭宏

医師国家試験に合格され、いよいよ医師としての社会へ羽ばたく第一歩を踏み出し、初期臨床研修医となる諸君は、これからの2年間にこれまで以上に多くの事を学ばなければなりません。初期臨床研修医にとっての最重要課題は、『臨床を学ぶ』ことであり、多くの時間は患者さんと伴に臨床の現場で過ごすこととなり、診療の基礎を学び、多くの診療技術の習得が行われます。金沢医科大学氷見市民病院では、日常的に各科の垣根を超えた診療が行われ、指導医間での意思疎通が十分行われている環境が構築されており、初期臨床研修にもその特徴が生かされています。一人患者さんに対応する事は、さまざまな疾患を網羅する事であり、広い視野を持って診療にあたる事が必須であり、このためには複数診療科が容易に診療に参加できる病院環境は極めて重要です。これらの環境は、中核病院ならではの特徴的な環境であり、加えて臨床の現場の第一線で、即戦力として豊富な臨床経験が可能となっているため、2年間で多くの臨床技術の習得が行えます。ともすると初期臨床研修医の2年間で、多くの研修医の中の一人として貴重な臨床経験を共有していたが、自らが行った臨床経験は極端に少ないという時間を過ごす事も見受けられるようです。

当院は、北陸では初めてとなる大学病院直属の中核病院であり、分院的な役割を担っています。『臨床を学ぶ』という最大の使命に加え、多くの臨床経験の中から『研究を学ぶ』姿勢を持ち、指導医の研究に触れ、医学研究の基礎を習得して頂きます。また、大学としての重要な役割が医学生や医療従事者の育成であり『教育を学ぶ』ことが可能です。医療従事者の育成は、社会への大きな貢献であり、教育の現場ではより高度なスキルが要求されることで、自らの研修がより充実されたものとなります。

金沢医科大学氷見市民病院では、『診療』・『研究』・『教育』の3本柱を軸にバランスのとれた初期臨床研修を実現しています。当院では、地域中核病院としての利点を最大限に生かし、初期臨床研修が実りある2年間とするため、ともに診療を行い、考え、議論を重ね、未来へつながる初期臨床研修を一丸となって行っていきたいと考えています。