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金沢大学医学部5年 武田栞幸さん が能登北部地域医療研究所にてBSL総合診療実習「地域医療」を終える 【実習期間】2017. 7.10 ~ 7 .19

 武田栞幸さん金沢大学医学部5年) BSL総合診療 実習期間:2017. 7.10 7 .19.

~公立穴水総合病院・能登北部地域医療研究所での実習を終えて~

 私は、710日から19日の間、穴水総合病院にお世話になり、総合診療科のBSL実習を行いました。初日には、穴水町や奥能登の高齢化率が40%を超え、これは、数十年後の日本を象徴しているということを教えていただきました。今回の実習では、自分が医師として働いている将来の日本の様子を疑似体験させていただいたことになると思います。高齢化し、地域に密着した形での医療ではかかわる医療者の経験値の大きさが大事になってくると思いまいした。今回の実習で交通機関、無医地域など、訪問診療が必要になる要素は様々にあることがわかりました。何かしらの理由で病院に通うことができない方、通わない選択をされた方に必要になってくるものが、訪問診療や訪問看護、訪問リハだと思います。その一つ一つを提供するためには、マンパワーが必要になることは当然です。しかし、それ以上に、病院のように多くの医療機器がそろっているわけではないご自宅で診療をするためには、限られた資材の中で診療を完遂ために、技術と経験、臨機応変さなどが必要とされるように感じました。看取りについても、ご自宅でとするとさらに必要になるのは医師側のフットワークの軽さだと考えられました。訪問診療を成り立たせるうえで最も大切な要素の一つは患者さんのご家族のサポートであると思います。

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こうしたことは、大学病院での、来院された患者さん、入院されている患者さんを診せていただく実習だけでは気づかなかったことです。今回、5年生という段階でこれだけ地域の医療について見学させていただき、考え、自分なりの意見を言う機会をいただけたことは非常に貴重でこれからの財産の一つになると確信しています。

今回の実習の中で、もうひとつ、強く感じたことは、医療で用いる道具の使い方は、事前に知っていないと何もできないということです。当たり前のことですが、「こういう患者さんにはまず、こういう治療をします」ということを、教科書などで勉強して知識を持っていても、実際には、その治療をするための道具の使い方を知らないものばかりで何もできないということに気づかされました。

最後になりましたが、訪問診療に同行させていただき、多くのことを教えてくださった中橋先生、医学生としてどう頑張るべきか教えてくださり、お気遣いいただきました濱中副部長、医師のあるべき姿を教えてくださった小浦先生、優しく、能登の素敵なところもたくさん教えていただきました安田先生、近川先生、親切にしてくださいました橋本さん、濱崎さん、研修医の林先生、上野先生、山田先生、公立穴水総合病院のスタッフの皆様、に心より感謝申し上げます。