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研修医・学生の声

上野純子 研修医(聖マリアンナ医科大学病院) 研修期間:2018.9.1 ~ 9. 30

公立穴水総合病院での地域研修を終えて

穴水総合病院で1か月間研修させていただきました。この1か月間は訪問診療、訪問看護、訪問リハビリ、離島診療所の見学、老健施設への訪問など、私にとっては初めての連続で、とても勉強になる毎日でした。

高齢化が進み、人口も減少傾向であるこの穴水町では、公立穴水総合病院を中心に訪問リハビリ、訪問看護ステーション、地域包括支援センターの職員が密に連絡をとり、地域医療を支えています。しかし、医療資源に限界のある中で質の高い医療を支えていくためには医療従事者の努力だけでなく、地域住民の医療に対する理解や住民間のコミュニケーションが重要となってきます。穴水町は都市部と比較して医療機関へのアクセスが悪く、物理的な理由で満足に医療機関を受診できない方も多い印象を受けましたが、住民間の結びつきが強いため何かあっても近隣住民が異変に気付きやすいという印象も受けました。住民と医療機関の連携が更に密となるきっかけがあれば、早期の病院受診を促すことができ、より良い日常生活のサポートを提供できるのではと感じ、これは都市部でも見習うべきだと考えました。

研修初日のオリエンテーションで先生が「穴水町は高齢化率45%を超えており日本の将来の姿を映している」と仰っていたように、穴水町で起きている問題は、今後都市部でも問題となってくるでしょう。新たな問題に直面したそのときに、この1か月穴水で学んだことを活かしながら医療に携わっていきたいと思います。

今回の研修でご指導いただいた先生方や病院関係者の皆様、町民の皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。


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一森悠希 研修医(氷見市民病院) 研修期間:2018.9.1 ~ 9. 30

初期研修医プログラムの一環として、穴水町の医療の中核を担う公立穴水総合病院にて地域医療の研修を経験させていただきました。

この一ヶ月間は私のこれまでの研修期間において真新しいことの連続であり、多くのことを感じ吸収することのできた貴重な時間となりました。その最たるものとして、訪問形態による医療提供はとても印象的でした。都心部ではもちろんのこと、中小規模都市においても当然の如く受けられる医療が、山間部では決して当たり前ではないことを痛感しました。それらを是正する取り組みとして、訪問診療は普段病院にアクセス困難な人々が医療を受けることを可能にする非常に意義深いことであると思います。

また、穴水町の医療は少子高齢化に拍車がかかる日本の医療の未来図であると感じました。そう遠くない将来に、日本全域において直面するであろう問題が穴水町では既に起こっており、これらと如何に向き合い改善していくかが日本の医療体制を占う試金石であると思われます。

今回の研修を通して、これまで感じることのできなかった感覚を養うことができ、貴院にて研修を行うことができて本当に良かったと感じています。

ご指導下さりました諸先生方を初め、携わってくださった多くの方のおかげで非常に実りある研修を行うことができましたことを心より感謝しております。

この地で学んだことを、これからの自分の医師人生の糧とし、より一層精進して参りたいと思います。最後になりますが、一ヶ月間お世話になりまして本当にありがとうございました。

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大平 千夏 研修医(大阪市立総合医療センター) 研修期間:2018.8.1 ~ 8. 31

~穴水総合病院での研修を終えて~

 20188月の1ヵ月間、公立穴水総合病院で地域医療研修をさせていただきました。

これまで、地域医療に対する印象は、高齢化・過疎地での医療・医師不足などのキーワードが浮かぶ程度の漠然としたものでした。穴水総合病院では、入院・通院の患者さんはもちろん、僻地診療、訪問診療、訪問看護など院外で行うこれまでに経験したことのない診療を直にみせていただくことが出来ました。高齢化が進行し、交通手段の問題を抱える地域においては、通院が容易ではない患者さんが少なくなく、これらの在宅での医療行為がいかに必要なシステムで重要なものかということを実感しました。また地域医療は行政や医療機関だけでなく、患者さんとそのご家族、その他の地元住民の方の善意に支えられている側面も大きいということを知ることが出来ました。患者さんが抱える疾患はもちろんのこと、精神面や社会的背景・生活背景にまで踏み込んで治療にあたることが求められることを改めて考えさせられました。

私が普段勤務しているような都市部は、穴水町を始めとする高齢化・人口減少を経験している地域から学ぶべきことが非常に多いと感じました。この1ヵ月間、医療関係者の方はもちろん、地域の皆さんの優しさに支えられて有意義な日々を過ごせました。今後の診療においても穴水町で経験させていただいたことを還元すべく、現在だけでなく将来にも目を向けた医療を行っていきたいと思います。1カ月間本当にありがとうございました。

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伊藤 詩歩 研修医(東京大学医学部附属病院) 研修期間:2018.7.1 ~ 7. 31

今回の穴水での地域医療研修では病院内外で非常に多くの経験をさせていただき,勉強になったこと,考えさせられたことがたくさんあり,大変貴重な経験をさせていただきました.この1ヶ月間の地域医療研修で特に印象に残った経験は,訪問診療・訪問看護でした.今までは病院での入院患者の管理がほとんどでしたが,今回初めて在宅医療の現場を体験させていただきました.退院後の生活のサポート,通院困難な方に対してどのような医療を提供できるのか,普段の病院研修では学べないことを間近でみることができました.

 今回の地域医療研修で経験した医療は今後全国のあらゆる地域で必要となってくるものであり,自分が今後どの道を選択することとなっても直面する課題なのだと感じました.このような貴重な経験をさせていただき研修に携わっていただいた地域連携室・病院スタッフの方々,地域のみなさまにこの場を借りて感謝を申し上げます.

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鈴木 一設さん(群馬大学医学部医学科5年) 地域保健実習 実習期間:2018. 7.17 ~ 7. 20

公立穴水総合病院での実習を通して感じたこと

 穴水総合病院の方々、4日間という短い間でしたが実習をさせてくださりありがとうございました。

 私がこの病院での実習を選んだ理由としては、以前より能登に行ってみたいと思っていたこと、穴水総合病院に能登北部地域医療研究所があることを知り地域医療について学ぶことができると思ったことが挙げられます。

4日間という短い間ではありましたが、訪問診療、訪問看護、老健施設実習、兜診療所実習、へき地診療、能登空港防災訓練など多くのことを経験することができました。

 特に印象に残ったのは、訪問診療と兜診療所実習、能登空港防災訓練です。訪問診療と診療所実習では医師と患者さんのコミュニケーション・信頼関係が非常に重要であり、地域の方々11人と様々な話をしながら時間をかけて診療に当たっていたことが印象的でした。また、診療所は医療の場であると同時に地域の方々の交流の場でもあり、診療所には医療以外にも重要な役割があるのだと学びました。

 能登空港防災訓練に関しては、空港で必要とされている年一回の訓練に参加することができ、非常に貴重な経験であったと思います。訓練では、私は医師として1次トリアージを担当しました。空港の滑走路に歩いて足を踏み入れること、トリアージタグの使用、本番さながらの状態での負傷者の状態評価、医学生としてではなく医師としての行動、全てが初めての経験でした。頭の中ではやるべきことが分かっていても、限られた時間の中で素早く評価を行うことは難しく、このような訓練の重要性を学びました。

 この実習を通して、地域医療は単に地域で医療を提供することではないこと、地域医療の問題は医療者を増やせば解決するものではないことなど地域医療の実態を学ぶことができ、この実習をしていなければ地域医療について何も知らないままだったのだろうと思います。穴水総合病院で実習をさせていただくことができ、本当に良かったです。また、穴水は、豊かな自然、美味しいお酒と魚介類、暖かい人々に満ちた素敵な場所で、帰路に着く頃には寂しい思いで胸がいっぱいでした。穴水をまた訪れたいです。

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大野 美咲さん(群馬大学医学部医学科5年) 地域保健実習 実習期間:2018. 7.17 ~ 7. 20

 今回、地域保健実習で能登を選んだ一番の理由は、石川県に行ってみたかったということ、特に、まれやコウノドリで使われた能登半島をもっとよく知りたかったということです。穴水に来て思ったことは、自然がいっぱいだということ、おいしい海の幸が豊富だということ、若い方が本当に少ないということです。時間がゆっくり流れているように感じました。4日間という短い間でしたが、訪問診療や訪問看護、老健、診療所実習、へき地診療、さらには空港の防災訓練にも参加することができ、非常に内容の濃い実習でした。この実習を通して、大学病院で求められる医療と地域で求められる医療・支援の違いを実感しました。地域の診療では症状のことだけでなく、患者さんの生活背景や日々のエピソードも親身になって聞いているのを見て、住民との信頼関係が大事であると感じました。医療という視点からだけでなく、地域全体を見渡し一人一人の生活を"支える"ための医療・サポートをしていくことが求められているのだとわかりました。

 空港防災訓練では、他職種の方々の災害時の連携を間近で見ると同時に、実際にトリアージの訓練に参加させていただき貴重な経験となりました。最初は緊張で焦ってしまい上手くできませんでした。30秒でトリアージをすることの難しさ、焦らず冷静になることの大切さがよくわかりました。

 公立穴水総合病院の皆様、能登北部地域医療研究所の皆様、穴水町の皆様、短い間でしたがありがとうございました。

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北口耀子さん(金沢大学医薬保健学域医学類5年) BSL総合診療 実習期間:2018. 7.9 ~ 7. 18

~公立穴水総合病院・能登北部地域医療研究所での実習を終えて~

石川県中能登町で生まれ育ち、車で15分という限られた生活区域で学生時代を過ごした私にとって、車で1時間の距離にある穴水町という町は足を踏み入れたことのない遠く離れた異国のような場所であった。高校の友人がのと鉄道に揺られ長い時間を掛けて七尾に通っていたことも当時は信じがたかった上、その友人から小学生の頃は海に潜って海産物をとったこともあるという話を聞き、驚きを隠せなかった。穴水とは私の中でそんな地域であった。

 実際に穴水を訪れ、住宅街に車を走らせてみると2つの町の過疎地度合いにさして差がないことに気づいた。金沢市等の加賀地区の人々からすれば両者は同じ能登地区の過疎地域であり、名前も認識していない場合もあるだろう。

もちろん診療で11件のお宅を訪ねてみてもお年寄りの雰囲気はどこも変わらない。少し違うとすれば、兜地区にはヤブコシ商店や兜診療所といった高齢者のサロンになる場所があるところである。ああいった施設があることで地域の住民はお互いの近況を把握することができ、有事の際に助け合うきっかけになるのだと感じた。兜診療所は必要かという質問に「NO」というアンサーが私ののどから勢いよく出そうになったが、決して少なくない労力や費用をかけてあの診療所を営むということは、それだけの価値があそこでの診療にはあり、人々の心の支えになっているのだと思う。

 緩和医療で持ち出されるアンブロワーズ・パレの「To cure sometimes, relieve often, comfort always」という言葉がある。あそこで行われている高齢者に対する医療にも類似したものがあると感じた。それはしばしば患者本人だけでなく、その周囲の人々にも当てはまる。信仰的な部分にまで及ぶようであるが、SNSが発達し人と直接顔を合わせることが少なくなった現代に、内身の人間を頼り、苦楽を伴にして生活を営む姿が素晴らしいと感じた。自分も将来、そのような医療の一端を担えるような医師になりたい。

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木村 聡一郎 研修医(東京大学医学部附属病院) 研修期間:2018.6.1 ~ 6. 30

~穴水総合病院での研修を終えて~

初めまして、初期研修医2年目の木村聡一郎と申します。出身は静岡県浜松市で浜松医科大学を卒業し、現在は東京大学医学部附属病院で初期臨床研修を行っております。その一環として地域研修があり、この度はここ穴水総合病院を選択し1カ月間の研修を行わせていただきました。

羽田空港から能登空港までは飛行機で1時間もかかりませんが、到着前に窓際から見えた景色は山一色であり驚くと同時に、この地で人々はどのような暮らしを送り、その暮らしを支える医療はどのようなサポートを行っているのか、非常に興味を持ちました。

研修は外来見学、訪問での診療・看護・リハビリテーションへの参加、舳倉島診療所見学、兜診療所での研修、救急外来担当が主な内容でしたが、そのいずれにおいても身に染みて感じたのは進行した穴水の超高齢化です。日本の高齢化率が約30%であるのに対して穴水町では約45%であり、「この町は2025年の日本の未来の姿を映している」という先生方の御言葉が非常に印象的でした。

医療現場の方針として、病床数の削減などを通して質の高い医療水準を確保すること、また在宅医療へのシフトを行い、一人ひとりが可能な限り自分の家で暮らすことができるようにすることが目標とされています。そして今後はそのような環境の中で、いかに治療が必要な方を早く見つけ出し、医療に結び付けていくかということが大きな課題になっています。

独居高齢者の孤独死の増加は穴水だけでなく全国的にも大きな問題となっています。当院としても町から離れた場所に住んでいて病院への受診が難しい方に対し、へき地診療として公民館などで診察を行っており、病院受診が必要な患者さんの早期発見に努めていますが、当然ながらそれのみですべての事例を発見することは困難です。

そこで重要となるのが地域住民同士のつながりです。特に穴水では長年同じ場所に住まれている方が多く、それと共に築かれてきた住民同士の深い絆が存在します。住民同士が日常的に集まり、話し、互いが互いを気に掛けていることで誰かに異常が起きているときにいち早く気づくことができます。医療者側としても定期的に住民との情報交換の場を設け、その情報ネットワークをうまく活用することで、医療を必要としている人を見つけ出すことができ、孤独死の予防にもなると考えられます。

これまで、限られた資源でどのような診察・診療を行っていくかという点でしか地域医療を考えていませんでしたが、今回の研修を通しそれは単なる"医療"ではなく、地域社会自体を創っていくことにもつながる、より深いテーマであると感じました。

今回、病院の内外でお会いした方々は非常に親切に優しく私に関わってくださり、たくさんの"まいもん"をいただいたり、週2回行われているテニス同好会の練習や大会にも参加させていただいたりと大変充実した1カ月間を過ごすことができました。今回の研修でご指導いただいた先生方や病院関係者の皆様、町民の皆様に厚く御礼申し上げます。

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蓑田 盛夫さん(東海大学医学部6年) 実習期間:2018. 6.18 ~ 6. 30

地域医療に興味があり、本実習を応募した。今までの実習ではどちらかと言えば、交通機関も便利で、衣食住がいつでも手に入りやすい地域での医療、そして生活に慣れていた為、それらのインフラがない中での医療を見ることが出来たのは非常に良い経験となった。

今まで考えたことがあまりなかったのだが、病院に来た患者が、退院した後にどのような生活を送っていくのか、それを考えながら医療を行っていく事の難しさを経験することが出来た。

特に印象的だったのが、訪問看護と訪問診療である。訪問医療自体、見学したこともなかったので新鮮であった。その訪問医療では、普段の病院にくる患者に対しては考えることが少ない、次回の訪問日を家のカレンダーにメモしておくことや住んでいる周辺の環境及び、周辺の人間関係に対してもコミュニケーションを取りながら、今後の在り方について話をすることなど、分かっていても実際にやることは非常に難しいことが多いと感じられた。患者が、最期を迎える時に、自宅と病院のどちらで死を迎えるのか。また、最後の時に延命治療を行うべきかどうかに迫られる機会が思っていた以上に多い現実にも驚きを感じた。

その他にも、舳倉島や甲診療所などのへき地医療の一部を見学できたのも非常に良かった。

私は、1年後、国家試験を終えて、初期研修を始めている予定である。恐らく、初期研修では、手技や知識を詰め込むことに一生懸命になる日々が続くと思う。そのような時にも、今回の経験を思い出して、この患者にはどのような背景があり、どのような医療を行うのが最適なのかを、医学的観点だけでなく、個々の生活やその地域という側面からも考えて研修を行っていきたいと思う。
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田中 琢弥さん(東海大学医学部6年) 実習期間:2018. 6.18 ~ 6. 30

2週間お世話になりました。とても楽しく、充実していて、さらに色々なことを考えさせられる実習となりました。

この2週間で最も考えさせられたのは地域における「病院」の役割でした。大学病院では急性期の医療をメインとしており、私の中で「病院」というと大学病院のイメージしかありませんでした。しかし、この実習では大学病院ではあまり出会うことの少ない疾病を拝見したり、患者さんの病院へのニーズの違いを目の当たりにし一言で「病院」と言っても地域によって様々な役割があるのだなと思いました。その中で中橋先生の「4次医療」という言葉が印象に残りました。3次医療、急性期の治療を別の病院で終えた患者さんが、住んでいた場所に戻ってから受ける医療。1次、2次、3次医療のどれにも当てはまらないと医療。患者さんのニーズに応じ患者さんが幸せになる医療。患者さんの最期に向けて患者さんとそのご家族に寄り添う医療。そんな「4次医療」をこちらでは提供していらっしゃるのだなと思いました。

最後に中橋先生や橋本さんをはじめとした病院関係者の皆様、そして見学に快く応じて下さった患者さん、そして実習にご協力頂きました方々本当にありがとうございました。とても貴重な体験をさせて頂きました。この経験を今後に活かしていきたいと考えています。

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