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研修医・学生の声

木村 未祐奈 研修医(聖マリアンナ医科大学病院) 研修期間:2019.2.4 ~ 3. 3

"能登は将来の日本の縮図である"その言葉の意味を考えながら1か月間研修をさせていただきました。

公立穴水総合病院では、地域の中核病院として救急患者や入院患者の受け入れが可能であり、急性期疾患の治療を提供することができます。その一方で、訪問診療や兜地区の診療所のように医師・看護師が患者の傍へ出向くことで、病院に来られない、ないしは行きづらい患者さんに対しても定期診察や治療薬の投薬を行っています。高齢者が多い能登において、"病院が患者に近づく"という仕組みは患者にとってはありがたく、また疾病の早期発見・治癒につながると感じました。勿論病院の中でも外来診療が行われており、そこにはかかりつけ医として慢性期疾患の管理を担っている姿がありました。大学病院ではかかりつけ医の役割は無いため、患者との関係は希薄になりがちです。しかし穴水町には開業クリニックが少ない上に公立穴水総合病院と同等の機能を有する中核病院が無いため、ここでは患者一人一人の生活や家族関係などを把握した上でかかりつけ医の如く診療にあたる必要があります。一般的な診察や検査、治療薬の処方にとどまらず、時には福祉施設や公的機関との連携が必要になることもあります。ここでの診療は"病気を診る"より"患者を診る"と表現した方が正しいでしょう。

さて冒頭の言葉の意味ですが、日本に単に高齢者が増えるということだけでなく、今後の医療の在り方も同時に考えなければなりません。近い将来、病院が画一的な医療を提供していればよい時代は終わり、その地域が求めている医療を提供することが必要になると考えられます。公立穴水総合病院は地域住民が求めている医療を的確に提供しており、地域医療に関しては"近未来的な"医療を行っていると言えます。

ところで能登は"世界農業遺産"に指定されたことがうなずけるような豊かな自然に恵まれています。訪問診療の道中に目にする白銀の山々や静かな海は、見る度に心が穏やかになりました。更に地物の魚介は本当に美味しいものばかりで、研修中に何度も舌鼓を打つ機会がありました。研修のみならず食事や生活に関しても素晴らしい体験ができ、人生の中で指折りの心に残る1か月を過ごすことができました。

研修だけでなく生活に関しても地域的な経験ができるのは、公立穴水総合病院の研修プログラムならではないかと思います。素敵な体験をさせていただいた病院関係者並びに能登の方々に心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。


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青木 裕哉さん(金沢大学医薬保健学域医学類5年) BSL総合診療 実習期間:2019. 2.19 ~ 2. 27

今回の穴水の実習ではとても多くのことを学べました。内容としては、訪問診療、救急外来の見学、地域医療についての講義が主なものでした。

 訪問診療では、穴水町の寝たきりの高齢者や独居の高齢者の方の訪問をはじめ、兜診療所での外来見学をしました。授業では見たことがあったのですが、実際に地域をまわってみたことで、地域医療の重要性や人手不足の深刻さを感じることができました。

 救急外来の見学では、救急車が2台と歩いてくる人が4人ほど来ました。僕は研修医の方が対応しているのを見ているだけでしたが、卒業して2年でこれほど様々な判断ができるようになるのだなと感心しました。研修はしっかりしたところでするべきだなと思いました。

 中橋先生による地域医療の講義では、今まで自覚を持って聞いていなかった地域医療の重要性を再確認できました。中でも、能登は十数年後の日本の縮図というお話が、興味深い考えだなと思いました。 

 穴水総合病院での実習全体での感想は人の暖かさでした。指導してくださった先生方や一緒に地域医療実習で来られていた研修医の先生は忙しい時間をさいて熱心に様々な指導をしてくださいました。また、ほかの医療スタッフの方々や事務の方々も毎日声をかけてくださいました。そうした医療従事者の方だけでなく、患者さんもねぎらう言葉をかけてくださいました。こうした人の暖かさを強く感じることができるのは、地域医療ならではだなと感じました。

  関わってくださった方々にとても感謝したいです。実習はもちろんですが、ご飯に連れて行っていただいたり、様々な話を聞かせて頂いたりしたことは、とてもいい思い出として残り続けるだろうと思います。本当にお世話になりました。もっといたいなと思える場所でした。ありがとうございました。


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山川 央さん(関西医科大学医学部3学年) 配属実習 実習期間:2019. 1.21 ~ 2. 15

今回の地域医療実習は、事前に実習内容や寝食の場がどの様なものか分からなかった為、多くの不安がありました。しかし、3年生の知識レベルでも理解出来る実習内容や説明をして頂くことが出来、今後の臨床実習でも活かせる経験を、病院内だけでなく離島訪問や訪問診療等を通じて多くすることが出来ました。こうした点から、3年生という早期ではありましたが、穴水病院での実習に参加する事で、医療人として大きく成長出来たと感じています。また実習中の生活においても、能登の海の幸や特産品をごちそうになったり、困ったことがあれば直ぐに対応して頂けたりと、大きな不安を抱えること無く、約1ヶ月間を過ごすことが出来ました。

  実習では、地域コミュニティーの見回り活動があることで、1週間に1度しか自宅を訪問出来ない医療者に変わって、地域の方々に患者さんの変化に気づいてもらえると分かった点が、特に印象的でした。このように、人間関係が疎遠となりがちな都市部の暮らしとは異なる、昔ながらの地域コミュニティーが穴水町にはありました。中橋所長の話では、40年後には日本の多くの地域が穴水町と同じ医療状況を迎えることになります。そして当然、今の都市部にも穴水町が抱える問題が起こります。しかしその時、私の所属する大学がある大阪府において、住民同士による助け合いが十分に行われるのか不安に感じました。一方で、この実習で学んだ医療と住民との在り方という考え方や方法論を都市部においても広げて行くことが出来れば、問題の解決に役立つのではないかとも思いました。

 

また同時に、実習を通して予防医学がますます重要になると思いました。例えば穴水総合病院では、糖尿病教室が開催されており、地域住民の方々に糖尿病の予防や早期発見の為の方法について説明が為されていました。また、妊娠後に風疹予防の方法を知らされた時には既に胎児に影響が及んでいる可能性があると教えて頂いた為、妊婦さんには特に予防医学が重要であると感じました。風疹予防の為の啓発を行う場は、妊娠前の女性が風邪などで受診した時だと教えて頂きましたが、健康な女性がこうした機会を持つことは困難な為、これら健康教育を受けやすい体制を、自治体・医療者側から作り上げる必要があると思いました。

 1ヵ月間の実習を通して、穴水総合病院のどの分野の職員の方々も、患者さんのことを思い、熱心に仕事に取り組んでおられると感じました。また、顔なじみの患者さんも多いためか、気軽に声をかけ、最近の体調に変化は無いかや、仕事上の苦労について等の聞き取りをされていました。ここから、地域の中で、日々の付き合いの中から形成されて行く、患者さんと医師の良好な関係性を垣間見ました。

最後に、実習中に出会った患者さんに温かく迎えて頂けた点が、非常に嬉しかったです。更に職員の方々も、業務の内容などを親切に教えてくださり、質問にも丁寧に答えてくださいました。また、小浦先生の指導の下、問診の体験が出来た点は非常に良い経験となりました。これまで見学主体の実習が多かったのですが、実際に患者さんの問診をすることで、緊張感があり、責任感も感じる場となり、逆に医師を目指す上で現在の自分の力の低さを自覚する機会となりました。また、石﨑先生や丸岡先生、山﨑先生の診察を見学させて頂くことで、今後患者さんや看護師さんと信頼関係を形成して行く上で大いに参考になる事柄を学べました。こうした事は、穴水総合病院で実習をしなければ得られなかった経験でした。

 以上の点から、今後高齢者に対する医療がますます重要性を増す中で、どのような医療を各地域で行なって行くべきかを考える、とても良い機会となった実習でした。穴水総合病院の皆さま、短期間でしたが、大変お世話になりました。今回の学びを、今後の医師としての人生に活かして行きたいと思います。


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岩橋 真子さん(関西医科大学医学部3学年) 配属実習 実習期間:2019. 1.21 ~ 2. 15

 今回、約一か月間、穴水総合病院で実習させていただき、普段の学内実習では学べない多くのことを学ぶことができました。実習期間中にわたしが感じたのは、都心部と過疎地における医療システムの違いです。例えば、過疎地では、医師が直接患者さんの自宅へ車で出向く訪問診療があったり、病院のない地域に診療所を設けて医師が日替わりで診療したりしますが、これらは都心部ではあまり見かけないことなので、とても新鮮でした。実際に訪問診療に行く地域は本当に山奥で病院はおろか薬局も店もないようなところだったので驚きました。それと同時に、訪問診療の不可欠さも痛感しました。

また、高齢者が多い過疎地では特に、外来においても様々な疾患を抱えた高齢者の方が多いので、総合診療的な診療が必要と感じました。外来見学を通じて、臓器別だけでなく機能別に疾患を考えることの大切さや、患者さんの問題を明確にするために患者に対して開かれた質問をしなければならないこと、など総合診療の核となることを教わりました。わたしたちも実際に外来をさせていただいたのですが、やってみると、開かれた質問と閉じた質問の割合が難しかったり、時には患者さんの家族と向き合わなくてはならなかったり、カルテを書くのが難しかったり、見学するよりも多くのことに気づけたので、とてもいい経験になりました。高齢者が多い地域は、認知症を患った患者さんが多いことも特徴だと思いました。認知症は、完治せず、よくなったこともわかりにくいため、家族、患者ともに治療を続けるモチベーションが下がったり、介護が大変であったりと、治療するのがとても難しいと感じました。そういったことも含めて、高齢化が進む地域においては患者さんが定期的に病院にかかることによって患者と医師との関係をつなぎ留めておくことは重要であると思いました。

過疎地域における様々な医療問題が問われる今、実際に、わたしが地域医療実習で感じたことは、思っていたよりも、地域と医療は連携が取れていて、へき地の人にでも様々な形で医療が提供されているので、誰でも医療を享受できる環境がしっかり整っていることでした。それと同時に、へき地の患者さんが三次救急にすぐかかれないことなど、医療機関不足、医師不足の深刻さや、地域医療の課題の多さも感じました。また、医師は、患者の疾患を診るだけで収まってはならず、コミュニケーションをとって、患者の健康観や人生観、家族や家庭環境など、患者一人一人における全人的な理解を深めたうえで、包括的な治療方針を立て、患者さんと向き合っていくことが大切だと感じました。

この一か月間、訪問診療などで実際の地域医療に触れたり、時には舳倉島に行って離島の医療について学んだり、本当に様々な貴重な経験をさせていただきました。最初は不安な気持ちもありましたが、私たちのために地域医療を熱心に教えてくださり、時には美味しい海産物を食べに連れて行ってくださった先生方、訪問看護の見学でお世話になった看護師さん、車での送り迎えなどしてくださった事務員さん、また暖かい穴水町の人たちに出会えて、今では穴水で実習出来てよかった、と思っています。この一ヶ月で私の地域医療に対する考えや価値観も大きく変化したので、この経験を生かしてこれからも勉強に励みたいと思います。

お世話になったみなさん、一か月間、本当にありがとうございました。


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真柄 亮太 研修医(金沢大学附属病院) 研修期間:2019.1.1 ~ 1. 31

 1月だけという短期間でしたが、公立穴水総合病院にて地域医療研修を行わせていただきました。私がこれまで研修を行ってきた大学病院であったり急性期病院では体験したり考えて来なかったことを経験し、有意義な研修となったと思います。とりわけ、老年期医療と地域医療をいかに持続させていくかに関して考えるよい機会となりました。

 穴水総合病院は、急性期の医療を提供しつつ、その主な役割は高齢者の慢性期疾患に対処するものでした。これまで研修してきた病院では、多くの場合、地域の病院やクリニックからの紹介患者に対し急性期医療や高度医療を提供し、治療が終われば、再び元の紹介病院へ戻ってもらうことを目標としていました。一方、奥能登地域には開業医が少ないこともあり、穴水総合病院は、いわゆるかかりつけ医の役割も担っていました。高齢者の診療にあたっては、治療の提供だけではなく、生活環境、ADL、認知機能等を把握し、受療行動の適正化、予防のための適切な情報提供、介護保険加入の情報提供を行うことが必要であると、これまで多くは考えて来なかったことについて学ぶことができました。

 穴水総合病院には、地域包括支援センター、介護老人福祉施設、訪問看護ステーション等の施設が隣接しており、互いに連携がとりやすい環境にありました。高齢者は病院での医療だけではなく、生活全般のケアが必要となる場合も多く、これらの福祉施設と連携しやすい環境にあることは、情報共有や効率の面でとても有利であると印象を受けました。これからの時代の地域医療に関して、どうすれば持続可能な医療を提供し続けることができるのかについて問題の一つとなっていますが、医療福祉施設をまとめることに拠る効率化について考える機会を持つことが出来ました。

 私は、以上のようなことを考えたり学んだりしつつ1ヵ月の研修を行いましたが、これまでの研修環境や今後の進路等によって、ここで研修する人は各々注目すべきポイントや学ぶことは異なると思います。穴水周辺は、風光明媚な場所であり、おいしい食べ物もとても多いです。研修プログラムは、そんな穴水の良いところを味わうことが出来るイベントも含まれています。例えば、古民家民宿宿泊では、いろりを囲んで、食べきれないほどのおいしい食事をいただきました。地域医療を学びつつ、奥能登も味わうこができた、充実の地域医療研修でした。関係者の方はもとより、穴水町の人たちに感謝いたします。


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岩崎 一彦 研修医(金沢大学附属病院) 研修期間:2018.12.1 ~ 12. 31

 穴水総合病院で1カ月の研修でしたが、全体の感想としては、地域医療とは医療の質を落とさずかつ地域の特色にあった医療を提供することであると思いました。医療資源に関しても都市部の病院と比較しかなり少なく、限りある中で同様の医療を提供するために獅子奮迅している医療者の姿がそこにありました。

穴水地域は高齢化が進み、人口も減少傾向である中、訪問診療や訪問看護、訪問リハビリ、出張診療所や僻地医療などをサービスとして提供し遠隔の患者もフォローを行い、また地域とも各ステーションや地域包括支援センター、特別養護老人ホームや老人保健施設と密に連絡をとり共同して地域の医療を支えていました。私自身1年目勤務していた地域病院でも入院患者の高齢化がすすんでいるといった問題に直面していましたが、この穴水病院では高齢化率が50%近くになっており、入院患者や外来患者の平均年齢はさらに高くなっており、また老老介護の問題も目の当たりにしました。入院や救急の現場では提供される医療自体は同じことをしているのですが退院後の見通しを初期の段階ですでにプランニングすることで早期退院及び治療計画立案に寄与するということが地域医療で重要であることが認識できました。実際都市部の医療では退院後のフォローに関し比較的若年~中年の方では考える必要がほとんどなく、高齢者では福祉介護医療サービスの選択肢が豊富であることからあまり悩んだ経験は無かったため、その分野をしっかり勉強する必要があると感じました。また主治医意見書やポートフォリオ等も初めての経験でしたので、また新たな観点と未知の勉強しなければいけない分野が実感できたかと思います。

 私自身は救急を何度か実際に経験し、入院患者を何人か診させていただきました。私の1年目の研修病院は2次救急の病院であり最重症患者は別の3次機関に搬送されていたためあまり見る機会はなかったのですが、当院では地域の最後の柱の役目を果たしており様々な病態の患者様が訪れたことが印象に残っています。また入院管理に関しても内科全体を広く俯瞰する視点が重要となり、前述の退院後を見通した治療等も含め新たに発見する内容が多かったように思えます。

 穴水総合病院は全国から研修医が集まる病院と聞いていましたが、今月は私一人だけで実習を行わせていただき、先生方からも実際の地域医療に携わる苦労や考えること等を余すことなく聞けたかと思います。私は金沢大学の地域枠であり、医師3年目に能登地域の病院の勤務が義務付けられていることから前もって予習したいと考え当病院へ実習させていただいたのですが、地域医療の実際を研修医段階で知ることができ、来年以降の私自身の勤務にとって良い刺激になったと感じました。また私は専攻を呼吸器内科としているのですが、地域で非常に求められる分野であることを実感でき、更に勉学を深めようというやる気が湧きました。

 最後になりますが、今回の私の実習をご指導・ご支援いただいた全ての方に御礼申し上げます。本当にありがとうございました。


 

藤原 美香さん(金沢大学医薬保健学域医学類5年) BSL総合診療 実習期間:2018. 12.4 ~ 12. 12

 私は、穴水町に限らず日本の様々な僻地が抱える医療問題を認識し、その解決策を見つけることを総合診療BSLの目標として穴水町にやってきました。

 訪問診療や訪問看護に同行させていただいたこと、能登北部地域医療研究所所長の中橋先生のお話を直接聞かせていただいたりしたことなど、私の総合診療BSLのゴールにつながりました。

都市部で簡単に受けられる医療サービスが、こちらの地域では受けられないという環境を目にしました。この差は、医師不足を解消するだけでは埋まらず、在宅医療(救急医療、看取りを含む)や生活習慣病予防などの新しい分野を充実させることも必要なのではないかということでした。たしかにその通りで、生産年齢人口が減少する中で体制を整えるのは難しいことだと思いますが、言ってみれば新しい分野の開発、それは前向きですごく魅力的に思えました。

 医療だけではなく農林水産業、観光業などさまざまな領域から地域を活性化させることも重要だと考えます。石川県出身でない私からみると、全国の他の地域に比べ、穴水町はまだまだ地域活性化の余地が残っているように思います。穴水にしかない魅力をうまく組み込んで、今の時代に即した新しい地域活性化が行われることを切に願います。

 訪問診療、訪問看護、訪問リハ、出張診療の見学や老健での看護師さんのお手伝いなど様々な経験をさせていただいたことで、視野が大きく広がりました。今後医療に携わる上で間違いなく糧となる時間となりました。穴水総合病院で実習することが出来て本当によかったです。患者さんも明るく接してくださり、むしろ私が元気をもらったほどでした。お世話になりました先生方やスタッフの方々には感謝の気持ちでいっぱいです。


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西谷 友里 研修医(聖マリアンナ医科大学病院) 研修期間:2018.11.5 ~ 12. 2

今回穴水総合病院で研修させていただき、普段関東の大学病院で研修している私にとっては驚くこと、勉強になることが本当にたくさんありました。

入院・通院患者さんだけではなく、訪問診療やへき地での診療を一緒にさせていただいて、病院までなかなか来られない方達にとってそういった医療システムがいかに大事であるか実感させられました。

穴水町は今後の日本の未来像とも教えていただいたように、都市部ではこのような高齢化の進んだ地域から学ぶべきことは非常に多いと思います。

また、普段病気や予後にばかり目がいってしまいがちですが、患者さんの生活や社会的な問題、どう生きるかについて、患者さんとそのご家族と一緒に考えることの大切さを学ぶことができました。今回穴水で学んだことをしっかり活かし、今後も患者さんにとってベストを尽くせる医師になれるように頑張ります。

医療従事者の方々をはじめ、穴水町のみなさまに温かく迎えていただき、本当に楽しく充実した1ヶ月を過ごすことができました。本当にありがとうございました。

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朝倉 啓太さん(金沢大学医薬保健学域医学類5年) BSL総合診療 実習期間:2018. 11.1 ~ 11. 9

 今回、公立穴水総合病院で約一週間実習をさせていただき非常に多くのことを学ぶことができました。

訪問看護・診療や僻地の診療所などの実習は、地域医療実習でないとなかなか経験できないような実習内容であり、約一週間という短い期間ではありましたが、非常に充実した日々を過ごすことができました。

糖尿病、高血圧症、認知症といった高齢者に非常に多い疾患をもつ患者さんの問診・診察も実際にさせていただき、今後どの診療科に進んだとしても役に立つ経験を積むことができたと思います。一方で80代、90代で認知機能や聴力が低下しているような患者さんの診察では、コミュニケーションをとることに難渋してしまい、高齢者と接する訓練が今後まだまだ必要であると感じました。 

これまで、地域医療の高齢化、医師不足、医療機関不足、過疎化といった問題は知ってはいながら漠然としたものでした。しかし、今回実際に穴水町を訪れ地域実習を経験することで、改めてこのような問題の深刻さを肌で感じました。

現在、このような地域とそこに住む人々を支えるために穴水町においても様々な医療体制が整っており医療の地域格差は是正されつつありますが、今後ますます深刻化すると予想されるのでさらなる医療体制の構築が必要性だと再認識しました。また、このような穴水町が現在直面している問題は、穴水町だけでなくあらゆる地域で現在直面している、あるいは今後直面しうる問題でもあり、日本全国において看過することのできない問題だと感じました。

約一週間という短い期間でしたが、地域医療研究所の方々、病院・診療所のスタッフの方々はとても親切に接して下さり、この場をお借りしまして感謝申し上げたいと思います。

また週末には能登観光をしたり、能登の美味しい食材、料理、お酒を堪能したりと実習以外でもとても充実した一週間を過ごすことができ、最初訪れるまではやや不安でしたが穴水総合病院を実習病院先に選択して良かったと感じました。

今回得た知識や経験を今後の実習や研修に活かしていきたいと思います。

お世話になりました。ありがとうございました。

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水澤 由樹 研修医(東京大学医学部附属病院) 研修期間:2018.10.1 ~ 10. 31

1カ月公立穴水総合病院で地域医療研修をさせて頂きました。

お世話になった先生方やスタッフの方々、診療させて頂いた地域の方々に心から感謝申し上げます。

研修内容は、外来診療、救急当番、訪問診療、訪問介護、診療所や介護施設での診療、離島実習など多岐に渡りました。

特に印象的だったのは、訪問診療など患者さんの自宅を訪問したことです。車で能登の山や田畑、海岸沿いを移動し、古くて大きな日本家屋に何件もお邪魔させて頂きました。

そこで患者さんの病気以外の患者さんの生活の様子や家族や地域とのつながりなどを感じ取ることができ、これから患者さんの生活を支えていくためにどういった支援やケアが必要なのかを医師だけでなく看護師やソーシャルワーカーなど多職種で連携して考える重要性を学びました。今後、高齢化が進み、穴水町のように高齢者が人口の45%を超える市町村が増えていくことが予想され、今回穴水町で経験した高齢者への医療や生活支援、自宅での介護や看取りは今後は地域だけでなく全国どこでも直面しなくてはならない問題になっていくのだと思いました。

1カ月非常に有意義な研修をさせて頂きました。

今後、病気だけでなく患者さんの生活に寄り添った診療ができるよう心掛けていきたいです。



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太田裕美子 研修医(大阪市立総合医療センター) 研修期間:2018.10.1 ~ 10. 31

地域研修を終えて 

201810月の1ヶ月間、公立穴水総合病院で研修をさせて頂きました。

私が大阪で働いている病院は大阪環状線の中にある、大学病院から転院搬送依頼がある最後の砦のような病院でした。入院患者さんに対して急性期の治療を行い、慢性期病院への転院を見届けるといった仕事の内容の経験がほとんどだった私は、公立穴水総合病院での地域に根差した医療を経験することができたと感じています。

訪問看護・訪問診療を通して能登の診療形態を見ることができました。

患者さんの社会的立場やどういった形態の医療を受けたいかという解釈モデルを知り、具体的な医療を構築していく。それは患者さんとの他愛のない会話をすることで、得られるのだと体感することができました。

また地域医療検討会や日々の診療を通して感じたことは、医療スタッフの方々の"能登の人々をどうしていくか?"と常に考えており、信念を持って診療されていると感じました。

私も日々何が患者さんのためになるか、診療を担っている地域の医療をどう改善していけばいいのかを考えていかなくてはいけないと、改めて感じることができました。

日本の未来の形が穴水にはあると先生がおっしゃっていました。穴水地区での地域に根差した医療を研修できたことを今後の診療に活かすべく、日々精進していきたいと思っています。このような貴重な機会を設けていただき本当にありがとうございました。


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上野純子 研修医(聖マリアンナ医科大学病院) 研修期間:2018.9.1 ~ 9. 30

公立穴水総合病院での地域研修を終えて

穴水総合病院で1か月間研修させていただきました。この1か月間は訪問診療、訪問看護、訪問リハビリ、離島診療所の見学、老健施設への訪問など、私にとっては初めての連続で、とても勉強になる毎日でした。

高齢化が進み、人口も減少傾向であるこの穴水町では、公立穴水総合病院を中心に訪問リハビリ、訪問看護ステーション、地域包括支援センターの職員が密に連絡をとり、地域医療を支えています。しかし、医療資源に限界のある中で質の高い医療を支えていくためには医療従事者の努力だけでなく、地域住民の医療に対する理解や住民間のコミュニケーションが重要となってきます。穴水町は都市部と比較して医療機関へのアクセスが悪く、物理的な理由で満足に医療機関を受診できない方も多い印象を受けましたが、住民間の結びつきが強いため何かあっても近隣住民が異変に気付きやすいという印象も受けました。住民と医療機関の連携が更に密となるきっかけがあれば、早期の病院受診を促すことができ、より良い日常生活のサポートを提供できるのではと感じ、これは都市部でも見習うべきだと考えました。

研修初日のオリエンテーションで先生が「穴水町は高齢化率45%を超えており日本の将来の姿を映している」と仰っていたように、穴水町で起きている問題は、今後都市部でも問題となってくるでしょう。新たな問題に直面したそのときに、この1か月穴水で学んだことを活かしながら医療に携わっていきたいと思います。

今回の研修でご指導いただいた先生方や病院関係者の皆様、町民の皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。


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一森悠希 研修医(氷見市民病院) 研修期間:2018.9.1 ~ 9. 30

初期研修医プログラムの一環として、穴水町の医療の中核を担う公立穴水総合病院にて地域医療の研修を経験させていただきました。

この一ヶ月間は私のこれまでの研修期間において真新しいことの連続であり、多くのことを感じ吸収することのできた貴重な時間となりました。その最たるものとして、訪問形態による医療提供はとても印象的でした。都心部ではもちろんのこと、中小規模都市においても当然の如く受けられる医療が、山間部では決して当たり前ではないことを痛感しました。それらを是正する取り組みとして、訪問診療は普段病院にアクセス困難な人々が医療を受けることを可能にする非常に意義深いことであると思います。

また、穴水町の医療は少子高齢化に拍車がかかる日本の医療の未来図であると感じました。そう遠くない将来に、日本全域において直面するであろう問題が穴水町では既に起こっており、これらと如何に向き合い改善していくかが日本の医療体制を占う試金石であると思われます。

今回の研修を通して、これまで感じることのできなかった感覚を養うことができ、貴院にて研修を行うことができて本当に良かったと感じています。

ご指導下さりました諸先生方を初め、携わってくださった多くの方のおかげで非常に実りある研修を行うことができましたことを心より感謝しております。

この地で学んだことを、これからの自分の医師人生の糧とし、より一層精進して参りたいと思います。最後になりますが、一ヶ月間お世話になりまして本当にありがとうございました。

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大平 千夏 研修医(大阪市立総合医療センター) 研修期間:2018.8.1 ~ 8. 31

~穴水総合病院での研修を終えて~

 20188月の1ヵ月間、公立穴水総合病院で地域医療研修をさせていただきました。

これまで、地域医療に対する印象は、高齢化・過疎地での医療・医師不足などのキーワードが浮かぶ程度の漠然としたものでした。穴水総合病院では、入院・通院の患者さんはもちろん、僻地診療、訪問診療、訪問看護など院外で行うこれまでに経験したことのない診療を直にみせていただくことが出来ました。高齢化が進行し、交通手段の問題を抱える地域においては、通院が容易ではない患者さんが少なくなく、これらの在宅での医療行為がいかに必要なシステムで重要なものかということを実感しました。また地域医療は行政や医療機関だけでなく、患者さんとそのご家族、その他の地元住民の方の善意に支えられている側面も大きいということを知ることが出来ました。患者さんが抱える疾患はもちろんのこと、精神面や社会的背景・生活背景にまで踏み込んで治療にあたることが求められることを改めて考えさせられました。

私が普段勤務しているような都市部は、穴水町を始めとする高齢化・人口減少を経験している地域から学ぶべきことが非常に多いと感じました。この1ヵ月間、医療関係者の方はもちろん、地域の皆さんの優しさに支えられて有意義な日々を過ごせました。今後の診療においても穴水町で経験させていただいたことを還元すべく、現在だけでなく将来にも目を向けた医療を行っていきたいと思います。1カ月間本当にありがとうございました。

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伊藤 詩歩 研修医(東京大学医学部附属病院) 研修期間:2018.7.1 ~ 7. 31

今回の穴水での地域医療研修では病院内外で非常に多くの経験をさせていただき,勉強になったこと,考えさせられたことがたくさんあり,大変貴重な経験をさせていただきました.この1ヶ月間の地域医療研修で特に印象に残った経験は,訪問診療・訪問看護でした.今までは病院での入院患者の管理がほとんどでしたが,今回初めて在宅医療の現場を体験させていただきました.退院後の生活のサポート,通院困難な方に対してどのような医療を提供できるのか,普段の病院研修では学べないことを間近でみることができました.

 今回の地域医療研修で経験した医療は今後全国のあらゆる地域で必要となってくるものであり,自分が今後どの道を選択することとなっても直面する課題なのだと感じました.このような貴重な経験をさせていただき研修に携わっていただいた地域連携室・病院スタッフの方々,地域のみなさまにこの場を借りて感謝を申し上げます.

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鈴木 一設さん(群馬大学医学部医学科5年) 地域保健実習 実習期間:2018. 7.17 ~ 7. 20

公立穴水総合病院での実習を通して感じたこと

 穴水総合病院の方々、4日間という短い間でしたが実習をさせてくださりありがとうございました。

 私がこの病院での実習を選んだ理由としては、以前より能登に行ってみたいと思っていたこと、穴水総合病院に能登北部地域医療研究所があることを知り地域医療について学ぶことができると思ったことが挙げられます。

4日間という短い間ではありましたが、訪問診療、訪問看護、老健施設実習、兜診療所実習、へき地診療、能登空港防災訓練など多くのことを経験することができました。

 特に印象に残ったのは、訪問診療と兜診療所実習、能登空港防災訓練です。訪問診療と診療所実習では医師と患者さんのコミュニケーション・信頼関係が非常に重要であり、地域の方々11人と様々な話をしながら時間をかけて診療に当たっていたことが印象的でした。また、診療所は医療の場であると同時に地域の方々の交流の場でもあり、診療所には医療以外にも重要な役割があるのだと学びました。

 能登空港防災訓練に関しては、空港で必要とされている年一回の訓練に参加することができ、非常に貴重な経験であったと思います。訓練では、私は医師として1次トリアージを担当しました。空港の滑走路に歩いて足を踏み入れること、トリアージタグの使用、本番さながらの状態での負傷者の状態評価、医学生としてではなく医師としての行動、全てが初めての経験でした。頭の中ではやるべきことが分かっていても、限られた時間の中で素早く評価を行うことは難しく、このような訓練の重要性を学びました。

 この実習を通して、地域医療は単に地域で医療を提供することではないこと、地域医療の問題は医療者を増やせば解決するものではないことなど地域医療の実態を学ぶことができ、この実習をしていなければ地域医療について何も知らないままだったのだろうと思います。穴水総合病院で実習をさせていただくことができ、本当に良かったです。また、穴水は、豊かな自然、美味しいお酒と魚介類、暖かい人々に満ちた素敵な場所で、帰路に着く頃には寂しい思いで胸がいっぱいでした。穴水をまた訪れたいです。

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大野 美咲さん(群馬大学医学部医学科5年) 地域保健実習 実習期間:2018. 7.17 ~ 7. 20

 今回、地域保健実習で能登を選んだ一番の理由は、石川県に行ってみたかったということ、特に、まれやコウノドリで使われた能登半島をもっとよく知りたかったということです。穴水に来て思ったことは、自然がいっぱいだということ、おいしい海の幸が豊富だということ、若い方が本当に少ないということです。時間がゆっくり流れているように感じました。4日間という短い間でしたが、訪問診療や訪問看護、老健、診療所実習、へき地診療、さらには空港の防災訓練にも参加することができ、非常に内容の濃い実習でした。この実習を通して、大学病院で求められる医療と地域で求められる医療・支援の違いを実感しました。地域の診療では症状のことだけでなく、患者さんの生活背景や日々のエピソードも親身になって聞いているのを見て、住民との信頼関係が大事であると感じました。医療という視点からだけでなく、地域全体を見渡し一人一人の生活を"支える"ための医療・サポートをしていくことが求められているのだとわかりました。

 空港防災訓練では、他職種の方々の災害時の連携を間近で見ると同時に、実際にトリアージの訓練に参加させていただき貴重な経験となりました。最初は緊張で焦ってしまい上手くできませんでした。30秒でトリアージをすることの難しさ、焦らず冷静になることの大切さがよくわかりました。

 公立穴水総合病院の皆様、能登北部地域医療研究所の皆様、穴水町の皆様、短い間でしたがありがとうございました。

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北口耀子さん(金沢大学医薬保健学域医学類5年) BSL総合診療 実習期間:2018. 7.9 ~ 7. 18

~公立穴水総合病院・能登北部地域医療研究所での実習を終えて~

石川県中能登町で生まれ育ち、車で15分という限られた生活区域で学生時代を過ごした私にとって、車で1時間の距離にある穴水町という町は足を踏み入れたことのない遠く離れた異国のような場所であった。高校の友人がのと鉄道に揺られ長い時間を掛けて七尾に通っていたことも当時は信じがたかった上、その友人から小学生の頃は海に潜って海産物をとったこともあるという話を聞き、驚きを隠せなかった。穴水とは私の中でそんな地域であった。

 実際に穴水を訪れ、住宅街に車を走らせてみると2つの町の過疎地度合いにさして差がないことに気づいた。金沢市等の加賀地区の人々からすれば両者は同じ能登地区の過疎地域であり、名前も認識していない場合もあるだろう。

もちろん診療で11件のお宅を訪ねてみてもお年寄りの雰囲気はどこも変わらない。少し違うとすれば、兜地区にはヤブコシ商店や兜診療所といった高齢者のサロンになる場所があるところである。ああいった施設があることで地域の住民はお互いの近況を把握することができ、有事の際に助け合うきっかけになるのだと感じた。兜診療所は必要かという質問に「NO」というアンサーが私ののどから勢いよく出そうになったが、決して少なくない労力や費用をかけてあの診療所を営むということは、それだけの価値があそこでの診療にはあり、人々の心の支えになっているのだと思う。

 緩和医療で持ち出されるアンブロワーズ・パレの「To cure sometimes, relieve often, comfort always」という言葉がある。あそこで行われている高齢者に対する医療にも類似したものがあると感じた。それはしばしば患者本人だけでなく、その周囲の人々にも当てはまる。信仰的な部分にまで及ぶようであるが、SNSが発達し人と直接顔を合わせることが少なくなった現代に、内身の人間を頼り、苦楽を伴にして生活を営む姿が素晴らしいと感じた。自分も将来、そのような医療の一端を担えるような医師になりたい。

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木村 聡一郎 研修医(東京大学医学部附属病院) 研修期間:2018.6.1 ~ 6. 30

~穴水総合病院での研修を終えて~

初めまして、初期研修医2年目の木村聡一郎と申します。出身は静岡県浜松市で浜松医科大学を卒業し、現在は東京大学医学部附属病院で初期臨床研修を行っております。その一環として地域研修があり、この度はここ穴水総合病院を選択し1カ月間の研修を行わせていただきました。

羽田空港から能登空港までは飛行機で1時間もかかりませんが、到着前に窓際から見えた景色は山一色であり驚くと同時に、この地で人々はどのような暮らしを送り、その暮らしを支える医療はどのようなサポートを行っているのか、非常に興味を持ちました。

研修は外来見学、訪問での診療・看護・リハビリテーションへの参加、舳倉島診療所見学、兜診療所での研修、救急外来担当が主な内容でしたが、そのいずれにおいても身に染みて感じたのは進行した穴水の超高齢化です。日本の高齢化率が約30%であるのに対して穴水町では約45%であり、「この町は2025年の日本の未来の姿を映している」という先生方の御言葉が非常に印象的でした。

医療現場の方針として、病床数の削減などを通して質の高い医療水準を確保すること、また在宅医療へのシフトを行い、一人ひとりが可能な限り自分の家で暮らすことができるようにすることが目標とされています。そして今後はそのような環境の中で、いかに治療が必要な方を早く見つけ出し、医療に結び付けていくかということが大きな課題になっています。

独居高齢者の孤独死の増加は穴水だけでなく全国的にも大きな問題となっています。当院としても町から離れた場所に住んでいて病院への受診が難しい方に対し、へき地診療として公民館などで診察を行っており、病院受診が必要な患者さんの早期発見に努めていますが、当然ながらそれのみですべての事例を発見することは困難です。

そこで重要となるのが地域住民同士のつながりです。特に穴水では長年同じ場所に住まれている方が多く、それと共に築かれてきた住民同士の深い絆が存在します。住民同士が日常的に集まり、話し、互いが互いを気に掛けていることで誰かに異常が起きているときにいち早く気づくことができます。医療者側としても定期的に住民との情報交換の場を設け、その情報ネットワークをうまく活用することで、医療を必要としている人を見つけ出すことができ、孤独死の予防にもなると考えられます。

これまで、限られた資源でどのような診察・診療を行っていくかという点でしか地域医療を考えていませんでしたが、今回の研修を通しそれは単なる"医療"ではなく、地域社会自体を創っていくことにもつながる、より深いテーマであると感じました。

今回、病院の内外でお会いした方々は非常に親切に優しく私に関わってくださり、たくさんの"まいもん"をいただいたり、週2回行われているテニス同好会の練習や大会にも参加させていただいたりと大変充実した1カ月間を過ごすことができました。今回の研修でご指導いただいた先生方や病院関係者の皆様、町民の皆様に厚く御礼申し上げます。

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蓑田 盛夫さん(東海大学医学部6年) 実習期間:2018. 6.18 ~ 6. 30

地域医療に興味があり、本実習を応募した。今までの実習ではどちらかと言えば、交通機関も便利で、衣食住がいつでも手に入りやすい地域での医療、そして生活に慣れていた為、それらのインフラがない中での医療を見ることが出来たのは非常に良い経験となった。

今まで考えたことがあまりなかったのだが、病院に来た患者が、退院した後にどのような生活を送っていくのか、それを考えながら医療を行っていく事の難しさを経験することが出来た。

特に印象的だったのが、訪問看護と訪問診療である。訪問医療自体、見学したこともなかったので新鮮であった。その訪問医療では、普段の病院にくる患者に対しては考えることが少ない、次回の訪問日を家のカレンダーにメモしておくことや住んでいる周辺の環境及び、周辺の人間関係に対してもコミュニケーションを取りながら、今後の在り方について話をすることなど、分かっていても実際にやることは非常に難しいことが多いと感じられた。患者が、最期を迎える時に、自宅と病院のどちらで死を迎えるのか。また、最後の時に延命治療を行うべきかどうかに迫られる機会が思っていた以上に多い現実にも驚きを感じた。

その他にも、舳倉島や甲診療所などのへき地医療の一部を見学できたのも非常に良かった。

私は、1年後、国家試験を終えて、初期研修を始めている予定である。恐らく、初期研修では、手技や知識を詰め込むことに一生懸命になる日々が続くと思う。そのような時にも、今回の経験を思い出して、この患者にはどのような背景があり、どのような医療を行うのが最適なのかを、医学的観点だけでなく、個々の生活やその地域という側面からも考えて研修を行っていきたいと思う。
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田中 琢弥さん(東海大学医学部6年) 実習期間:2018. 6.18 ~ 6. 30

2週間お世話になりました。とても楽しく、充実していて、さらに色々なことを考えさせられる実習となりました。

この2週間で最も考えさせられたのは地域における「病院」の役割でした。大学病院では急性期の医療をメインとしており、私の中で「病院」というと大学病院のイメージしかありませんでした。しかし、この実習では大学病院ではあまり出会うことの少ない疾病を拝見したり、患者さんの病院へのニーズの違いを目の当たりにし一言で「病院」と言っても地域によって様々な役割があるのだなと思いました。その中で中橋先生の「4次医療」という言葉が印象に残りました。3次医療、急性期の治療を別の病院で終えた患者さんが、住んでいた場所に戻ってから受ける医療。1次、2次、3次医療のどれにも当てはまらないと医療。患者さんのニーズに応じ患者さんが幸せになる医療。患者さんの最期に向けて患者さんとそのご家族に寄り添う医療。そんな「4次医療」をこちらでは提供していらっしゃるのだなと思いました。

最後に中橋先生や橋本さんをはじめとした病院関係者の皆様、そして見学に快く応じて下さった患者さん、そして実習にご協力頂きました方々本当にありがとうございました。とても貴重な体験をさせて頂きました。この経験を今後に活かしていきたいと考えています。

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水野綾香さん(金沢大学医薬保健学域医学類5年) BSL総合診療 実習期間:2018. 6.18 ~ 6. 26

~公立穴水総合病院・能登北部地域医療研究所での実習を終えて~

 

1週間の実習を終え、穴水病院は外来や病棟管理を行う場というだけでなく、地域の中で多彩な役割を持っている場であることがわかり、とても印象的だった。

実習前は、金沢市内の病院よりも高齢者が多く来院するのだろう程度のイメージしかもっていなかった。

しかし実際にはもっと複雑で、たとえば穴水病院は、原発に近いこの地域において災害時の避難拠点でもあり、地元の若い方々の雇用の場でもある。甲診療所は、待合室がコミュニティスペースになっている。舳倉島診療所では、先生がブログを書いていることで、島外出身の人の目から見た島の近況を発信している。

このように、どの診療拠点もさまざまに個性的で、病院に住民の方が集まることで地域の特徴を反映した役割を持つようになったということが感じ取られ、とても面白かった。

また穴水病院で出会った方々もみな印象的で、出会うことができてよかったと思うことばかりだ。センター所長の中橋先生には、臨床の場でも講義の時も、柔軟な発想をされていることにいつも感服した。おそらく先生は、穴水という個性的な地域の中で、それぞれのライフヒストリーのある患者さんが、生き生きと過ごし亡くなっていく姿を常にイメージされているからだと思う。穴水町と、患者さんひとりひとりについての深い理解があるからこそできることだと思う。実際、診療所見学の時などにすれ違う人と親しげに挨拶を交わして顔見知りになっている様子なのが印象的だった。ボラ待ちやぐらの仕組みや海士町の歴史についてなど、一見医療と関係ないようにも見えるあらゆることをご存知なのにも驚いた。私はまだ、疾患について考えることが精一杯だが、臨床を行う上で中橋先生のスタイルから学ばせていただいたことを、今後もつねに頭に置いておきたいと思う。

小浦先生には、病院見学の時、施設と関連して「こんな時どうする?」という質問を多く投げかけていただき、院内で何気なく見過ごしているようなこともすべて自分の仕事と関係しているし、改善していくことができると考えるきっかけになった。

山﨑先生は、甲診療所で患者さんと長い時間話し込む姿が印象に残っている。食堂でも国試や初期研修についてなどとても気さくにお話しいただき、ためになった。

また東海大学の6年生の方、研修医の先生方が親切にしてくださったことで、とても心強く過ごすことができた。年の近い先輩方が熱心に実習や業務に打ち込まれている姿を見て、自分も頑張ろうと思った。センターには、東京から大阪までさまざまな出身地から学生や初期研修医が集まっているので、刺激を受けることができた。

センターの橋本さん、濱崎さんは、他の業務でもお忙しい中、実習中快適に過ごせるよう、とても親身に対応してくださった。日常の細かいことまで気を配ってくださり、たいへん感謝しております。

そのほか、実習中に出会った患者さん、病院や診療所で働く方々、地域住民の方々にも、書ききれないほど多くのことを学ばせていただいた。将来、ここでの学びを何度も思い出して仕事に活かしていくつもりだ。

1週間、本当にどうもありがとうございました。
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朝野 俊一 研修医(金沢医科大学病院) 研修期間:2018.5.1 ~ 5. 31

~公立穴水総合病院での1ヶ月の研修を終えて~

2018年の5月に約1ヶ月間、公立穴水総合病院にて地域医療研修をさせてもらいました。

その間に、訪問診療・訪問看護・訪問リハビリテーション、診療所実習、介護老人保健施設での実習、離島診療所訪問等で様々な現場をみることができました。

これまでは経験する機会が少なかった在宅医療に実際携わることができ、これから仕事をしていく上で貴重な体験になりました。

また、入院患者さんや外来も診ることができ、先生方やコメディカルの方々、患者さんからも多くを教えてもらいました。

ここでしか学べないことがあったと思います。超高齢化が進む中、今後の医療を考える一つのきっかけにもなりました。働きながら考え続けたいと思います。

穴水の風景やご飯も忘れられないものとなりました。地域の皆様のあたたかさのおかげでかけがえのない時間を過ごせたことに感謝いたします。

先生方、コメディカルの皆様、今回の研修に関わってくださった全てのスタッフの皆様、

そして地域の皆様に御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
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三上 遥さん(金沢医科大学1年)医療福祉体験実習 実習期間:2018. 5.17 ~ 5. 18

今回は高齢化が進む穴水において地域全体でどのような取り組みがなされているのかについて実習を通して学びました。201805181.jpg

兜診療所では患者さんが医師に気楽に相談し、安心して任せられるという雰囲気があり良い雰囲気だなと思いました。また、総合医とは単に多くの科について分かっている、診察することができるというものだと思っていたが、地域のことを考え地域のための取り組みをする医師であるということを初めて知りました。穴水総合病院が原発に近いということを知らなかったのでエレベーターの工夫や放射線濃度を測る機械があったことに驚きました。

あゆみの里では午前中の入浴介助の際に入居者とのコミュニケーションが困難で上手く対応ができず、服を脱がせる際にどの程度の力を入れて服を脱がせばいいのかがわからず難しかったです。

午後は食事介助やレクリエーションで上手くコミュニケーションをとることができ、ともに楽しむことがでたと思います。午前と午後でとても印象が変わりました、また介護が必要といっても本当に人によってどのくらい必要かが異なると思いました。

また、小浦先生が「医療現場において医師は思っている以上に影響力を持つので言葉一言一言に重みをもつ」とおっしゃっていたのが印象的でした。

中橋先生の舳倉島についてのお話では島民が診療所があり、医師が常駐しているから住むことができると言っていたことを聞き、日本では

当たり前だと思っていた医療を提供できる状態があることの重要性を認識しました。今回の実習で学んだ事を将来の多職種連携医療に生かせていけたら良いと思いました。

最後に、高尾で食べた寿司が最高においしかったです。



岩﨑 さらさん(金沢医科大学医学部1年) 医療福祉体験実習 実習期間:2018. 5.15 ~ 5. 16

穴水総合病院での実習を終えて

 今回、穴水総合病院での実習で多くのことを学ぶことができました。穴水はとても高齢化が進んでおり、また大きな病院は穴水総合病院しかないので、地域全体の協力が必要な街です。

 訪問診療では、患者さんの様子を日常会話をしながら伺い、患者さんを介護している家族の方にも目を向け診療していて、患者さんの病気に対する姿勢や家族環境など病院での診察と違い、患者さんの生活の背景まで多くのことを診る必要性があると分かりました。地域医療の大変さがわかると同時に、やりがいが感じられる仕事だと思いました。

 また、介護施設「あゆみの里」での実習もとても勉強になりました。高齢者の介護の大変さを目の当たりにし、介護施設の重要性に気づきました。食事に関しては、一人ひとりの食事の柔らかさが違い、また介助方法が違うので、それらを全て管理していかないといけないことが大変だと感じました。

救急の現場も見学させて頂き、私は救急に興味があるので本当に貴重な経験となりました。患者さんの状態を見逃すことが許されない現場で、時間との闘いでもある救急の現場は本当に凄いと思いました。

今回、穴水総合病院で実習することができ本当に良かったです。病院の介護施設のことも両方学ぶことができ、充実した二日間を過ごすことが出来ました。二日間を通して、高齢者の方にとっての幸福とは何なのか深く考えさせられ、介護現場も含め地域医療の繋がりの大切さを学ぶことが出来ました。私は将来地域医療に貢献したいと考えており、金沢医科大学で地域医療に関して詳しく学んでいきたいと思っています。今回穴水総合病院で実習することが出来たのは、私にとって本当に貴重で、これからの勉学の励みとなりました。二日間本当にありがとうございました。
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井川 敬仁さん(金沢医科大学医学部1年) 医療福祉体験実習 実習期間:2018. 5.15 ~ 5. 16

医療福祉体験実習ではお世話になりました。特に、どの現場においても丁寧に詳細に教えてくださった中橋先生、病院の案内や実習の指導をしてくださった橋本先生には大変お世話になりました。

救急医療の現場で苦しんでいる患者さんを目の当たりにし、医療スタッフの方々が対応している様子を実際に見学させていただいたことは、これから医学を学んでいく上で貴重な経験となりました。

訪問医療においては、目線を合わせて話すといった、先生方が患者さんと接する様子や、病院に通いづらいといった、患者さんやご家族の置かれている状況を把握し対応する様子を見学させていただきました。また、患者さんだけでなく介護者のケアの必要性、円滑なコミュニケーションのための方言の理解、心不全の患者さんへの素早く適切な対応、訪問診療と往診の違いについても学ばせていただきました。あゆみの里では、介護老人保健施設が担う役割、現場のスタッフの方々の声、入所者の方々とのコミュニケーションを学ばせていただきました。地域の健康を支える、かかりつけ医として働きたいと考えている私にとって、将来につながる経験をさせていただきました。

今回の実習では救急医療や訪問医療、老健の現場の見学を通して穴水総合病院が地域の中核病院として担う役割を学ぶことができました。大学の授業だけでは得ることのできない多くの体験をさせていただきました。実習で学んだことを忘れずに勉学に励んでいきたいです。ありがとうございました。

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阿部 知果さん(金沢医科大学医学部1年) 医療福祉体験実習 実習期間:2018. 5.15 ~ 5. 16

今回の医療体験実習では多くのことを学ぶことができました。

1日目は、救急と訪問医療を見学することができました。救急ではトリアージという仕組みを知り、そこで先生がおっしゃっていた大勢の人が負傷している事故現場などで、0をつけられるかということについて考えさせられました。私は、もう助からない人でも助けたいと思うと思うし、遺族が周りにいたらなおさら0をつけられないと思いました。しかし、どんなに助けてあげたいと思っても、助からない人を治療している時間で、助けられる多くの命を救うことができると言われ、その通りだと思い、医者に必要なのは、医療知識や優しさだけではなくて、冷静な判断も必要なのだということを学ぶことができました。訪問診療では地域医療の課題について知ることができました。地域医療に限ったことではありませんが、地域医療では特に、患者さんの幸せだけでなく、介護する人の幸せを考えることも重要になってきます。先生が奥能登は40年後の日本とおっしゃっているのを聞いて、どこで医者になるとしてもこれは避けることのできない問題だと思いました。また、会話を聞いていて、能登弁が分からず理解できないことが多く、地域医療に携わる際にはその地の方言を知ることも大切なことなのだと分かりました。

2日目は、あゆみの里を見学させていただきました。あゆみの里では、リハビリの介助や食事介助などを体験しました。認知症の方の中にはコミュニケーションを取ることが難しい方もおられてなかなか思ったようにすることができなくて、介護の大変さを感じました。

二日間の実習で、医療現場と介護現場の両方を見学することができ、それぞれの現場での問題と、医療と介護が連携することの大切さを学ぶことができました。これからは、実習で学んだことから考えた理想の医師に少しでも近づけるように、日々努力していきたいです。

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田中 弘之 研修医(公立能登総合病院) 研修期間:2018.4.1 ~ 4. 30

〜地域医療研修を終えて〜

穴水病院には地域医療、総合診療、高齢者医療のエッセンスが詰まっており、一ヶ月間ではその一部しか垣間見ることができませんでしたが、病院のスタッフだけでなく、開業医の先生や、訪問診療、訪問看護で訪れた患者さんなど地域の方全体から学びを受け、非常に内容の濃い研修となりました。穴水病院、穴水町の皆様、またこのような研修をアレンジしていただいた中橋先生をはじめ地域医療研究所の皆様、ありがとうございました。

この一ヶ月の研修の中で「4次医療」という言葉が印象に残りました。大学病院等で3次医療、急性期医療を終えた患者が、地域に戻って受ける医療。人生の集大成に向けて幸せな、安心できる生活を送るための医療。これらは1次、2次、3次医療どれにも当てはまらないと中橋先生はおっしゃっていました。その中で、医師には疾病の治療、コントロールを行うだけでなく、患者の生きがいを支えるや不安に寄り添う、家族など患者の周囲をサポートすることが求められている。これが患者に寄り添うということであり、医師本来の姿であるということを教えていただき、またこの研修を通じで認識させられました。

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