治療（RT）について

放射線治療とは

放射線治療は、高エネルギーのX線や電子線を、身体の内部や外部から病気の部位に照射する事により治療効果を得るものです。
放射線は痛みや熱さなどはありません。
又、治療時に麻酔等の必要もなく、患者さまには負担が少ない治療法です。
合併症や年齢等により手術が出来ない場合にも安心して行うことが出来ます。
また手術とは異なり、身体の外観、形態、機能を温存し障害を可能な限り少なく、治療効果を得ることが出来ます。
当院で行われている主な放射線治療の方法は、外部照射放射線治療・密封小線源治療があります。

高精度放射線治療

近年の画像診断（CT、MRI、PET）の進歩により、癌の部位・範囲を正確に診断できるようになりました。
さらに、放射線治療計画システム・技術の進歩により、それらの画像等を用いて三次元的に高精度な放射線治療計画の作成を行うことが出来るようになりました。
そして、画像誘導による正確な位置合わせを行うことで、周囲の正常組織への影響を減らし癌に集中して大線量を照射することが可能となり、治療効果が格段に向上した事と共に、副作用を従来と比較して、より低減することが可能となりました。
現在では、高精度放射線治療が行えるようになった事で、手術をしなくても癌を治療できる場合も多くなってきました。

外部照射放射線治療

当院において、放射線治療を受ける患者さまの殆どはこの方法になります。
高エネルギーの放射線（X線・電子線）を利用し、腫瘍等に体の外部から方向を変えて放射線の照射を行う治療方法です。

高精度外部照射放射線治療

3次元治療計画

癌への放射線集中性を高めるため、高精度な治療計画装置によりCT・MRI・PET等の画像情報をもとに、放射線照射方向等を3次元的に評価し治療計画を行います。

強度変調放射線治療（IMRT）

放射線を外部から照射する際、多方向から3次元的に照射するだけではなく、その放射線の強度を癌の形状に合わせ癌の中心部分では強く、周辺部位では弱くというように変化させながら照射する方法です。
この照射方法では、副作用の低減と癌への放射線量の増加・集中により高い治療効果が期待できます。
しかし、IMRTを行う場合は、放射線治療専門医、放射線治療専門技師、品質管理士等による高度な治療計画・治療計画の検証が必要となるため、現在は患者さまの状況や治療計画の内容等々を考慮検討し、より効果を期待される部位や症例を中心に行っています。

定位手術的照射（SRS）

1回の治療で、目標とする癌に対してより多方向から集中的に大線量の放射線を照射し、通常の放射線治療よりも周囲の正常組織への放射線量を極力抑え照射を行う放射線治療方法です。
SRSは主に、数が少なく小さな病巣に適しており、全ての疾患が対象になるわけではありません。現在当院で行われているのは、頭頸部、肺等限られた部位ではありますが、患者さまにとって侵襲の低い治療法とし今後が期待されています。

定位放射線治療（SRT）

治療回数を数回に分割して、目標とする癌に対してより多方向から集中的に大線量の放射線を照射し、通常の放射線治療よりも周囲の正常組織への放射線量を極力抑え照射を行う治療方法です。

画像誘導放射線治療（IGRT）

放射線治療の位置あわせの際、放射線治療装置に搭載されたＸ線撮影装置によりX線画像・CT画像を撮像し、その画像を基に高精度な位置合わせを行う方法です。
照射毎リアルタイムにX線画像・CT画像を用いた位置あわせを行うことで、病巣を毎回数mm程度の誤差で位置の補正を行う事ができ毎回正確で高精度な照射が可能です。