診療

A. 外来診療

当科の特徴として山下公一初代教授からの伝統を引き継ぎ、診断用内視鏡システムの充実は他大学にも類を見ないほどです。鼓膜・上咽頭・耳管・下咽頭・声帯・声門下も即時に確認でき、また患者さんにも自分の目で見てもらって自ら参加してもらう医療を行っております。

三輪教授(耳鼻咽喉科科長)のもと嗅覚・味覚外来が開設され、耳鼻咽喉科が扱う全ての感覚器障害への対応が可能となりました。音声・言語外来では、リハビリテーション科スタッフと連携し、発声・発音・スピーチ・咀嚼・嚥下などの機能回復にも力を注いでいます。さらに臨床検査士が当科外来に常時待機し、聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚などの機能検査に携わり感覚器官を扱う耳鼻咽喉科学の病態の迅速な把握に貢献しております。

私共は、現在2段階方式の外来診療体制をとっております。耳鼻咽喉科一般外来と、幅広いサブスペシャリテイーに対してそれぞれのスペシャリストが入院、手術までを担当する専門外来に分かれております。外来では日本耳鼻咽喉科学会専門医が初診医を担当しております。受診日の担当初診医の専門分野以外の疾患では初期治療や検査予約の他、ご希望を伺った上で改めて専門外来の予約も取らせていただいております。専門外来への直接の受診をご希望される場合は、専門外来担当医宛の紹介状が必要となります。

診療時間

月曜から土曜まで毎朝9時から診療を開始しております。

(原則 月曜から金曜までは初診再診ともに午後3時で受付を終了します。土曜日は正午で受付を終了いたします。 尚手術などの事情や急患のため予約担当医による診療が困難な場合、診察医の変更や予約日の変更を急遽お願いする場合もありご了承ください。)

時間外につきましては救命救急センターより専門的医療の要請があった場合は当番医により対応させていただきます。

外来担当医、専門外来一覧

B.入院診療

耳鼻咽喉科(科長:三輪高喜 講座主任)

診療内容:

当教室の鼻科学の伝統を継承する形で、特に鼻副鼻腔疾患(副鼻腔炎, 副鼻腔のうほう, アレルギー性鼻炎, 鼻中隔彎曲症, 鼻副鼻腔良性腫瘍など)に対する手術治療に力点をおいています。主に鼻内視鏡手術により上記疾病の治療に臨んでいますが、特に当科の特徴としては、耳鼻咽喉科手術支援機器のナビゲーションシステムの積極的な活用により、難治症例に対しても安全かつ確実な手術操作で治療を行っています。

さらに嗅覚機能の改善を目的とした新たな手術法の開発にも取り組んでおり、副鼻腔炎に合併した呼吸性嗅覚障害に際して、中鼻甲介開窓術(MTFM法:Middle Turbinate Fenestration Method)をこれまで発表しています(Miwa et al. Chemical Senses, 2005)。また近年問題となっている難治性の喘息合併副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)に対しても、鼻内視鏡手術と薬物療法(ステロイド、抗アレルギー薬)の併用療法により良好な術後成績を得ています。

また、アレルギー性鼻炎の難治例に対しては、下鼻甲介手術(レーザー照焼術、粘膜下下鼻甲介切除術)のほか、後鼻神経(翼突管神経)切断術を施行し重症度の改善に取り組んでいます。

耳科学の分野においても、真珠腫を中心とした慢性中耳炎症例や耳硬化症などに対し鼓室形成術を施行しています。小児の滲出性中耳炎に対する鼓膜チューブ留置術も外来治療と併用し行っています。扁桃疾患や声帯ポリープなどの咽頭、喉頭疾患に関しては扁桃摘出術、アデノイド切除術、顕微鏡下喉頭微細手術を全身麻酔下に行っています。手術治療以外ではめまい疾患や突発性難聴などの内耳障害例にはステロイドの全身投与を中心とした入院加療を行っています。扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎など摂食や呼吸状態に障害を生ずるような症例では、入院加療で抗生剤や補液を点滴投与する他、緊急で気管切開術を行う場合もあります。

以下は代表的な疾患(治療法)のおおよその入院日数を示しております。
  • 鼻内視鏡手術(鼻副鼻腔炎など):8-10日間
  • 鼓室形成術(慢性中耳炎など):8-10日間
  • 口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術(扁桃肥大、アデノイド肥大など):8日間
  • 顕微鏡下喉頭微細手術(声帯ポリープなど):6-8日間
  • 突発性難聴:7-10日間
  • 扁桃周囲膿瘍:1週間程度

ページの先頭へ戻る