石川県がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会
●研修の目的
がん対策基本法(2007年4月1日施行)を受けて、がん対策推進基本計画では,緩和ケアを重点的に取り組むべき課題として位置付け、「がん診療に携わる医師の研修等により、がん患者の状況に応じ、身体的な苦痛だけでなく、精神心理的な苦痛に対する心のケア等を含めた全人的な緩和ケアの提供体制を整備する 」ことを目指し,「すべてのがん医療に携わる医師が研修等により、緩和ケアについての基本的な知識を習得すること 」が、個別目標の一つとして掲げられました。
その目標を実現するために、金沢医科大学病院ではがん診療連携拠点病院として、医師に対する緩和ケア研修会を開催しています。
●都道府県研修指導者
土田英昭 |
(麻酔科教授) 緩和ケア研修指導者 |
堀 有行 |
(生活習慣病センター准教授) 精神腫瘍学研修指導者 |
鴨田佐知子 |
(生活習慣病センター助教) 精神腫瘍学研修指導者 |
平成21年度
石川県がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会を開催!
−金沢医科大学病院会場に41名が参加−
1)主催責任者 飯塚秀明病院長
2)企画責任者 土田英昭教授(麻酔科・緩和ケア研修指導者)
3)精神腫瘍学研修指導者 堀 有行准教授(医学教育学・生活習慣病センター)


平成21年6月6日(土)〜7日(日)、本学病院新館12階大会議室と特別会議室を会場として「石川県がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会」が開催されました。この研修会は、がん患者さんを診療する医師を対象に開催されるもので、緩和医療に対する知識を深めてもらい、がんと診断された患者さんが肉体的精神的苦痛から可能な限り回避できるようにするための方策を学ぶものです。
本学病院は、石川県の地域がん診療連携拠点病院として年1回の本研修会開催が義務づけられており、本県ではこれが5回目、本院では初めての開催となります。
本研修会は、講義やワークショップ、ロールプレイなどから構成され、最低12時間の研修を受けることが義務づけられており、日本緩和医療学会をリードしている今回の講師陣、県内のがん診療連携拠点病院のスタッフには、講義のみならずディスカッションにも積極的に参加していただき、質の高い研修会となりました。
最後に、主催者である飯塚病院長から受講生全員(医師だけでなく本学病院緩和ケアチームに所属する看護師5名を含め41名)に、病院長名と厚生労働省健康局長名の入った修了証書が受講した医師に手渡され、2日間の研修会は無事終了致しました。
終了後のアンケート調査では、38%の受講生が「とても参考になった」、62%の受講生が「参考になった」と高い評価であった。
○自由意見を列記(アンケート結果記載)
・がん性疼痛治療や身体症状の具体的症例についてもう少し話を聞きたい。
・専門医師からそれぞれ具体的な処方についてもっと聞けたらよかった。(実際の臨床で使ってみての経験や好みの薬、処方について)
・精神症状での具体的な処方例の練習をしてみたかった。
・患者や患者家族に対する講義をもう少し多くしてほしい。
・療養型病院や開業医の医師への研修を行ってほしい。
・自分自身のコミュニケーション技術はまだまだだとロールプレイを通して感じた。看護師の目からみて体験して説明する時の苦労、ストレスが少し理解できた。
・初日のロールプレイ時のシナリオの構成がはじめ、わからなかった。手続き上のことだが、はじめに説明してもらうとわかりやすいと思う。
・今後の学習に役立つツール(参考図書、文献、HP)など載せてもらうと助かる。
・ロールプレイはもっと臨場感のある設定が必要ではないか。
・他施設の医師と関われたのはよい経験だった。
・ぜひコメディカルも参加できるようにしてほしい。
・週末(土日)が完全につぶれるのは現実には厳しい日程である。
・整形、脳外医師などの参加もあれば良かったと思う
・非常に勉強になった。ロールプレイやワークショップは大変だが、むしろもっと多くてもよいのではないかと思う。
・経験が浅く、講義についていくことが必死だった。ロールプレイでは先輩方の診療技術を学ぶことができ、良い経験ができた。今日の内容を今後に活かしたいと思う。
・とても有意義な二日間だった。知識の整理ができ、実際の臨床に役立てたいと思う。
・講演時間は適切と思うが、休憩がなかったのが辛かった。
・二日間の講習だが、一日目の量が多かった。