ご当地案内（沖縄県）
沖縄県支部長 嘉数 朝一
観光名所はありますか？
首里城（皆様ご存じの通り首里城は火災で焼失しましたが、現在復元工事が行われ、2026年秋にまずは正殿が再建される予定となっています。往時の姿がよみがえることを願ってやみません）、各地に残るグスク跡（県内にはグスクと呼ばれた城跡が多く存在します。いずれも石垣を残すのみですが、首里城同様沖縄独特の様式で、それらが周囲の自然に溶け込み、ひっそりと佇んでいます）、沖縄美ら海水族館（大水槽に使われているアクリルパネルは近年まで世界最大でした）、宮古島、石垣島などの美しいビーチや星空、マングローブの情趣豊かな数多くの島々、ジャングリア沖縄（2025年開業の大型テーマパーク。“恐竜”に出遭えます）
在りし日の首里城正殿
沖縄美ら海水族館
竹富島の家並み
県を代表するようなお祭りやイベントは？
那覇市の首里城復興祭 (琉球国王・王妃の琉球王朝絵巻行列)、爬竜船ハーリー（中国伝来の爬竜船の競漕）、沖縄市の沖縄全島エイサーまつり（エイサーは太鼓を打ち鳴らしながら踊る沖縄の伝統芸能）
お勧めのグルメ、特産品はありますか？
沖縄そば（中国に起源を持ち、小麦粉でつくる沖縄固有の麺。豚のバラ肉、かまぼこ、紅しょうがのトッピングが定番です）、ゴーヤーチャンプルー、島豆腐（豆乳からつくられた堅豆腐。とても栄養豊富でチャンプルーにも使われ、沖縄の食に欠かせません）、ステーキやハンバーガー、タコライスなどのアメリカ風、またはそこからアレンジ的Ｂ級グルメ、紅型や琉球絣などの染織物
沖縄そば
人気店のハンバーガー
紅型の着物
気候風土や県民性は？
古代から沖縄は日本と中国の間にあって貿易などの中継点となってきました。そのため、いにしえの琉球王国は「万国の津梁（架け橋）」と称されました。気候は亜熱帯性で年間を通して暖かく、多雨で湿潤なのが特徴です。人々は「なんくるないさ」の言葉の通り、南国特有の楽天的な性格ですが、島独特の内気さもあり、同郷人を「ウチナンチュー」と呼んで絆を深めあう一面も併せ持ちます。また、会合などが定刻よりも遅れて始まる「ウチナータイム（沖縄時間）」は沖縄の人のおおらかさの表れとしてテレビなどでも紹介され、最近とても有名になっています。
【追記】
そしてここからは求められている公約数的な答えに付け足しで沖縄の「琉歌」の説明をさせてください。日本の和歌のように、かつて琉球王国として繁栄した沖縄には、琉歌と呼ばれる抒情歌が存在します。基本的には八八八六の30音で成り立ち、独特の島言葉で詠まれ、季節や風景を愛で、恋愛の情、さらには人の世の理を伝えるもので、その根底には沖縄の人の素朴なメンタリティーがあります。「萬寿のしずく」などの健康食品の販売でも知られる沖縄の地元企業・熱帯資源植物研究所さんのホームページの中の「脈々WEB版」で琉歌の特集が組まれ、とても上手にまとめられていて、そこに掲載されていた名護市在住の歌人・上原仁吉さんの作品を現代にも息づく琉歌として以下に紹介します。
「花咲かす心 花生ける心 花愛でて孵（す）でる 人ぬ心」
～花を咲かせる心、花を生ける心、花を愛でて心を清める、全て人間のみが持つ精神である～
「花ぬ咲き清らさ 実ぬ成り清らさ 人ぬ肝（ちむ）清（ちゅ）らさ 沖縄ぬ景色」
～花の咲く美しさ、果実がなる美しさ、そして人の心の美しさは沖縄の大切な風景である～
「昨日ん今日ん明日ん 繰り返す中に 知らず積み上がる 人ぬ貴さ」
～毎日同じことを正しく繰り返すうちに、その人の徳は知らぬ間に積み上がるものである～
「ただ歩（あ）で居てん 足跡や残る 乱れ無（ねえ）ん跡ゆ 残ち行かな」
～ただ歩くだけでも足跡は残る。乱れのないきれいな足跡を残して行きたいものである～
「浮世さまざまに 人肝（ちゅちむ）や変わる 欠きたい円だい 月ぬ御願」
～浮世が様変わりすれば人の心も変わる。欠けたり丸くなったりする月の願いも日々変わる～
